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売りたいものから始めるな — 治療院経営で広告と商品をズラさない3つの視点

治療院・自由診療ビジネスで広告や商品設計が噛み合わない原因は、多くの場合「自分が売りたいもの」から始めていることにあります。顧客・競合・商品を見る順番を図解で整理します。

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藤井翔悟

株式会社藤井翔悟事務所 代表取締役 / 理学療法士

理学療法士として医療現場でキャリアを開始後、治療院経営で起業。自身の事業を年商10億円規模まで成長させた経験をもとに、治療院経営・ヘルスケア経営・企業変革を現場実装型で支援している。

なぜ「売りたいもの」から始めるとズレるのか

治療院側が言いたいことと、お客さんが知りたいことは一致しないことがあります。

治療院経営で広告を改善しようとすると、多くの人は最初に「自分は何を売れるか」と考えます。持っている技術、学んできた資格、提供できるメニュー、他院より優れていると思う施術。もちろん、それらは大切です。

しかし、お客さんは技術名そのものを買っているわけではありません。お客さんが見ているのは、「この悩みは変わるのか」「自分に合っているのか」「他と何が違うのか」「いま行く理由があるのか」という問いです。

つまり、治療院側が言いたいことと、お客さんが知りたいことは一致しないことがあります。このズレがあるまま広告を出すと、広告文を何度直しても反応は上がりにくくなります。

DIAGRAM

自分起点から市場起点へ切り替える

NG

自分起点

技術名、資格、メニューを先に並べる。専門家としては正しくても、読み手の悩みと接続しにくい。

OK

市場起点

お客さんの悩み、比較対象、選ぶ理由から逆算する。広告と商品の意味が揃いやすい。

広告改善の起点は、技術や資格の説明ではなく、お客さんが何に困り、何を変えたいと思っているかを把握することです。

ズレは広告・商品・価格の3か所に出る

市場を見ずに商品説明だけを直すと、広告の言葉、商品の見せ方、価格の伝え方が少しずつ噛み合わなくなります。

第一に、広告の言葉がズレます。広告で最初に問われるのは専門性の高さではなく、「自分のことだ」と思ってもらえるかです。技術名を並べても、相手の悩みと接続していなければ読み手は反応しません。

第二に、商品の見せ方がズレます。同じ施術でも、単なる「腰痛改善メニュー」として見せるのか、仕事や家事に支障が出ている人の「生活を取り戻すプログラム」として見せるのかで、伝わる価値は変わります。

第三に、価格の伝え方がズレます。何に対して払う金額なのか。どれくらいの変化を目指すものなのか。なぜその価格になるのか。この文脈が伝わっていないと、価格だけが高く見えます。

DIAGRAM

市場を見ないと3つのズレが起きる

ROOT CAUSE

市場を見ない商品説明

1

広告の言葉

読み手が「自分のことだ」と感じない

2

商品の見せ方

施術の意味が生活の変化に翻訳されない

3

価格の伝え方

価値の文脈がなく金額だけが目立つ

広告、商品、価格は別々に直すのではなく、市場理解を起点に同時に揃える必要があります。

まず見るべき3つ — 顧客・競合・商品

治療院マーケティングで最初に見るべき順番は、顧客、競合、商品です。

最初に見るのは顧客です。どんな症状名か、だけでは足りません。その悩みによって生活の何が止まっているのか。どんな不安を抱えているのか。何を試して、何に失望してきたのか。ここまで見ないと、広告の言葉は浅くなります。

次に見るのは競合です。近隣の治療院が何を言っているのか。どの価格帯で、どんな見せ方をしているのか。どの訴求が多く、どこに空白があるのか。競合を見る目的は真似をすることではありません。市場の中で、自院がどこに立つべきかを決めるためです。

最後に自分の商品を見ます。重要なのは「自分の商品には何があるか」ではありません。相手にとって、それが何を意味するかです。高い技術、丁寧な施術、通いやすさを、お客さんにとっての価値へ翻訳します。

DIAGRAM

顧客・競合・商品の順番で見る

1

顧客

何に困り、何を変えたいのか

問い合わせ・面談・既存顧客の言葉を見る

2

競合

何を打ち出し、どこが空白か

価格帯・訴求・導線を比較する

3

商品

相手にとって何を意味するか

特徴を生活上の価値へ翻訳する

自社の商品から始めるとプロダクトアウトになります。顧客から入り、競合の空白を見て、最後に商品を再定義します。

特徴を価値に変える

専門家側の説明を、お客さんが理解できる言葉に翻訳します。

治療院側の言葉を、お客さん側の言葉へ翻訳する。この作業をしないまま広告を出すと、専門家としては正しいのに、読み手には届かない言葉になります。

たとえば「評価を重視しています」だけでは、読み手にとって何が良いのかが見えにくい。お客さん側の言葉に翻訳するなら、「なぜ痛みが続いているのかを確認してから、施術方針を決める」となります。

技術を捨てる必要はありません。ただし、技術をそのまま売ろうとしないことです。技術を、お客さんが理解できる価値に変える。ここに広告と商品設計の仕事があります。

DIAGRAM

特徴を顧客価値へ翻訳する

FEATURE

評価を重視しています

専門家側の説明。正しいが、読み手にとって何が良いのかがまだ見えにくい。

VALUE

なぜ痛みが続くのかを確認してから方針を決める

顧客側の言葉。施術の特徴が、選ぶ理由として理解しやすくなる。

特徴は専門家側の言葉です。広告では、相手に起きる変化や選ぶ理由へ変換する必要があります。

今日やること

自分の商品説明の横に「お客さんは、それを本当に求めているか」と書いてください。

今日やることは1つです。自分の商品説明を1つ書いてください。その横に、「お客さんは、それを本当に求めているか」と書きます。

答えを自分の頭の中だけで出してはいけません。実際の問い合わせ、既存顧客の言葉、競合の打ち出し、広告の反応、面談時の質問。市場の反応を見て、言葉を直します。

売上は気合いではなく、検証で作ります。大きな理論より、まず小さく試す。反応を見て、効いた施策だけを残す。治療院経営の改善は、そこから始まります。

まとめ

広告文だけを直す前に、見る順番を直します。

治療院経営で広告や商品が噛み合わないとき、原因は広告文そのものではないことがあります。最初の順番がズレているのです。

自分が売りたいものから始めるのではなく、顧客が求めているものから始める。顧客、競合、商品。この順番で見直すだけで、広告の言葉、商品の見せ方、価格の伝え方は変わります。

自院の広告・商品・価格のズレを点検したい方は、経営層ブリーフィングまたはお問い合わせからご相談ください。

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よくある質問

治療院の広告で最初に直すべきものは何ですか?

広告文を細かく直す前に、顧客が何に困っているか、競合が何を打ち出しているか、自院の商品が相手にとって何を意味するかを確認します。言葉だけを直しても、市場理解がズレていれば反応は上がりにくくなります。

治療院の3C分析では何から始めるべきですか?

顧客から始めます。競合から始めると同質化しやすく、自社から始めるとプロダクトアウトになりやすいためです。顧客の悩みを見て、競合の空白を確認し、最後に自院の商品を再定義します。

技術や資格は広告で出さない方がいいですか?

出してはいけないわけではありません。ただし、技術名や資格名をそのまま並べるだけでは伝わりにくいことがあります。お客さんにとって何が変わるのか、なぜ選ぶ理由になるのかまで翻訳して伝えることが重要です。

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