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自費治療院の「上客」は2種類しかいない — 回数券を継続購入する患者の動機から広告を設計する方法

自費治療院で回数券を繰り返し買う患者は、慢性・重症の高齢患者と高収入パフォーマンス型の2パターンに絞られます。藤井塾の現場事例をもとに、それぞれの購買動機と届く広告の言葉を解説します。

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藤井翔悟

株式会社藤井翔悟事務所 代表取締役 / 理学療法士

理学療法士として医療現場でキャリアを開始後、治療院経営で起業。自身の事業を年商10億円規模まで成長させた経験をもとに、治療院経営・ヘルスケア経営・企業変革を現場実装型で支援している。

「40代向け」では届かない — 年代でターゲットを決める設計の限界

「40〜60代の腰痛・肩こりで悩む方」という設定で広告を書いたとき、具体的にどんな人を思い浮かべていますか。

治療院の集客設計で「対象は40代〜60代」と書いたとき、その言葉は実際には誰にも届いていない可能性があります。なぜかというと、40代と60代では、体に対する関心のポイントがまったく異なるからです。40代の経営者は「仕事のパフォーマンスを維持したい」という理由で通院します。60代の慢性腰痛患者は「孫の運動会で座り続けられるようになりたい」という理由で通院します。どちらも「40〜60代」という括り(くくり)に入りますが、何が欲しいのかはまったく違います。

藤井塾では、「購入者のスペックを細分化させていくと必ず共通項ができてくる」と繰り返し教えます。「なんとなく自分のマーケットで高額を払う人がわかる気がする」という段階では不十分で、「42歳、46歳というレベルで具体的に見えてくるまでリサーチする」ことを求めます。この具体化の作業を省いたまま広告を出すと、言葉がぼやけたままになります。

年代で区切ることは、出発点として最低限の情報ではあります。しかし、その先に「なぜ払うのか」「何を解決したくて来るのか」「他院では解決できなかった問題が何か」を見ないと、広告の言葉は深く刺さりません。「40代」という情報は、患者さんの購買動機のスタートラインにさえ届いていません。

もう一つの問題は、自費治療院の市場構造(しじょうこうぞう:どんな患者がいるかの全体像)を見ていないことです。藤井先生は「この業界は重症例と高収入層しか残らない」と言い切ります。これは厳しい言葉ですが、よく考えると納得できます。軽い症状なら、保険が使える接骨院や整形外科に行けば安く済みます。わざわざ自費で高額を払って治療院に通う人は、「保険診療では解決できなかった問題を抱えている人」か、「体を維持することに対して高い価値観を持っている人」のどちらかです。

「年代で絞る」から「買う理由で絞る」への切り替えが、自費治療院の集客設計で最初にやるべき意識の転換(てんかん:考え方を変えること)です。同じ50代でも、体に高額を払う人と払わない人がいます。違いは年代ではなく、体に対してどんな意味を持っているかにあります。このことを先に知っておくと、次の「2タイプ」の理解が深まります。

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「年代」ターゲットから「購買動機」ターゲットへの切り替え

「40代向け」という設定は、患者さんの年齢を記述しているだけで、なぜ買うのかを説明していません。購買動機(なぜ払うのか)まで絞り込むことで、刺さる言葉の設計が可能になります。

自費回数券を繰り返し買う患者の2タイプ

藤井塾の現場事例から、自費治療院で回数券を継続購入する患者は2つのパターンに収束します。どちらも「なんとなく高額を払える人」ではなく、明確な理由があって払っています。

タイプ1は「慢性・重症の高齢患者(まんせい・じゅうしょうのこうれいかんじゃ)」です。長い間、体の不調と付き合ってきた患者さんです。「腰が痛くてずっと通っているのに良くならない」「年齢からくる痛みは仕方ないと思っていたが、動けなくなってきた」という状況にある人が多い。この人たちが回数券を買う動機は、「この先も生活を続けるために、体の機能を維持したい」という切実な願い(せつじつなねがい:強い望み)です。

タイプ2は「高収入パフォーマンス維持型(こうしゅうにゅうぱふぉーまんすいじがた)」です。経営者、弁護士(べんごし)、コンサルタントなど、体を使って仕事をするプロフェッショナル(専門職の人)です。年収が高く、自分の体が仕事の成果に直結することをよく理解しています。この人たちが回数券を買う動機は、「体が止まると仕事が止まる。だから定期的にメンテナンス(維持管理)をする」という予防的な投資行動(とうしこうどう:未来のリターンを期待して今お金を使うこと)です。

この2タイプは、共通点が1つあります。どちらも「良くなってから終わり」とは考えていないことです。タイプ1は「この体と一生付き合っていかなければいけない」という意識があります。タイプ2は「体のメンテナンスは消費ではなく投資」という意識があります。この「継続する理由」を理解しているかどうかが、単発来院と回数券販売の分岐点(ぶんきてん:どちらかに分かれるポイント)になります。

藤井先生が「この業界は重症例と高収入層しか残らない」と言うとき、それはこの2タイプのことを指しています。軽症例(かるい症状の患者さん)は、症状が改善したら来なくなります。体に高い価値を感じていない患者さんは、他院の安いキャンペーンで移動します。逆に言えば、この2タイプを中心に集客設計をすることが、安定した自費収益を作る基盤になります。

なぜこの2タイプだけなのか、と感じる方もいるかもしれません。もちろん、それ以外の患者さんも来ます。しかし「回数券を繰り返し購入する」という行動に絞ると、動機の軸(どうきのじく:行動の中心にある理由)はこの2つに収束します。「近いから」「安いから」「友人に勧められたから」という理由で来た患者さんは、その理由がなくなると来なくなります。「体の維持が生活や仕事に直結していると分かっているから」来る患者さんは、価格や利便性の小さな変動では離れません。回数券の継続購入者の特性(とくせい:そのタイプに共通する性質)をこの視点で整理すると、どの患者さんに力を入れるかの判断が具体的になります。

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自費回数券を継続購入する患者の2タイプ比較

2タイプは年代や症状ではなく、「なぜ継続して払うのか」という動機で分かれます。両方の動機を理解しておくことで、それぞれに刺さる広告の言葉を設計できます。

タイプ1 — 「慢性・重症の高齢患者」が買うもの、届く言葉

「72歳、慢性腰痛、1人暮らし」の患者さんが高額の回数券を買う理由は何でしょうか。「安いから」でも「近いから」でもありません。

タイプ1の患者さんを理解するために、具体的な状況を考えます。70代前後で慢性的な腰痛や足のだるさを抱えている。配偶者を亡くし1人暮らし。「この先、自分で歩けなくなったら」という不安が日常の中にある。そういう方が、自費治療院の回数券を買うとき、何を買っているのでしょうか。

答えは「体の機能を使い続ける権利」です。回数券の施術内容を買っているのではなく、「自分の足で動き続けるための手段」を買っています。若い人が趣味や旅行にお金を使うように、この世代は「この先も元気でいるための維持費」として高額を払います。「腰痛を治す」という目標より、「今の生活を続ける」という目標の方が本音に近い。

この患者さんに届く広告の言葉は、技術名でも経歴でもありません。「他院で良くならなかった方へ」「整形外科で異常なしと言われても、まだ痛みが続いている方へ」という言葉です。なぜかというと、このタイプは既に複数の医療機関や治療院を経験していることが多い。「どこに行っても解決しなかった」という経験があるからこそ、「ここは違うのか」という期待を持って読みます。

もう一つ重要なのは、「安心と信頼」への感度が高いことです。このタイプは、院長が親身に話を聞いてくれるかどうかをよく見ています。「カウンセリングで話をしっかり聞きます」「なぜ痛みが続いているのかを最初に確認します」という言葉が、技術名の説明よりはるかに響きます。施術の内容より、「この院は自分の話を聞いてくれる場所かどうか」を判断する情報を求めています。

藤井塾の実例では、このタイプの患者さんは施術の後に「来るたびに元気になる」「ここに来ると生きる気力が出る」という言葉を言うことがあります。これは誇張ではなく、生活の継続に対する本音の感謝です。広告には、このような「体の回復が生活の継続につながる」という文脈を入れることが大切です。「腰痛が楽になる」という技術的な説明より、「再び趣味の時間を楽しめる」「外出が怖くなくなる」という生活上の変化を伝える言葉の方が、このタイプには届きます。

このタイプの患者さんの購買判断で特徴的なのは、「いつ来院をやめるか」という終わりを最初から設定していないことです。良くなったら終わりではなく、「良い状態を維持するために定期的に来る」という使い方に自然に移行します。初回来院では症状改善を目的にしていても、施術を重ねるうちに「ここに来ることで生活の調子が整う」という体験として定着していきます。だからこそ、最初の3〜5回の施術で「変化を実感できるかどうか」が、このタイプの長期定着(ちょうきていちゃく:長く続けてもらうこと)を決める鍵になります。初回・2回目・3回目の施術での「変化の言語化(げんごか:感じたことを言葉にすること)と共有」を仕組みとして準備しておくことが、このタイプの回数券継続につながります。

タイプ2 — 「高収入パフォーマンス維持型」が買うもの、届く言葉

年収1,000万円以上の経営者・弁護士・コンサルタントが、治療院の回数券を月ごとに買い続ける理由は何でしょうか。

タイプ2の患者さんを理解するために、具体的な状況を考えます。30〜50代の経営者またはプロフェッショナル職。自分の時間を最大限に活用することが仕事の成果に直結する。体の調子が悪ければ判断の質が落ちる。だから、体を「ビジネスの道具(どうぐ)」として定期メンテナンスの対象にしています。こういう人が治療院の回数券を買うとき、何を買っているのでしょうか。

答えは「パフォーマンスの継続保証(けいぞくほしょう)」です。車のエンジンオイルを定期交換するように、自分の体を定期的にメンテナンスします。「どこが痛いから行く」ではなく、「痛みが出る前に通って、仕事のパフォーマンスを落とさない」という予防的な使い方です。この行動パターンは、体に高い価値を感じているからこそ生まれます。

このタイプに届く広告の言葉は、症状への言及(げんきゅう:その話をすること)よりも、「維持」と「継続」への言及です。「月次のメンテナンスで、体のコンディションを安定させます」「施術後の体の状態を記録して、変化を数値で確認できます」という情報に反応します。「良くなった、おわり」ではなく、「継続的な管理ができるのか」という視点でサービスを評価します。

もう一つの特徴は、「時間の効率」への感度が高いことです。このタイプは時間を極めて大切にしています。「完全予約制で待ち時間なし」「施術と相談を1回の来院で完結できる」という情報は、このタイプに強く響きます。反対に、「受付が不便」「説明が長すぎる」「次回の予約が取りにくい」という体験は、続けることをやめる理由になります。広告だけでなく、来院体験全体がこのタイプの継続率(けいぞくりつ:通い続ける割合)に直結します。

藤井塾の実例では、このタイプは施術中の会話で自社の状況や仕事の話をすることがあります。それは、「この場所が自分のコンディションを管理してくれる信頼できるパートナー」として位置づけているからです。治療院を「症状が出たら行く場所」ではなく「定期的に体を預ける場所」として扱っています。広告には、「継続的な体の管理ができる場所である」という信頼感を示す言葉が必要です。施術回数の実績、丁寧なカルテ管理、定期的な振り返り面談といった情報が、このタイプの判断材料になります。

このタイプの患者さんには、「施術だけを提供する場所」より「コンディション管理のパートナー」という位置づけを持ってもらうことが、長期的な関係につながります。施術後に「今日の体の状態と、前回との変化」を2〜3分で共有するだけで、「データとして自分の体を管理されている」という感覚が生まれます。この感覚は、仕事で数値管理をしているビジネスパーソンにとって、非常に価値があります。「感覚だけで施術を受ける場所」より「根拠があって管理される場所」という体験設計が、このタイプの継続率(けいぞくりつ:通い続ける割合)を高めます。施術の内容を変えずに、「振り返り2分の仕組み」を加えるだけで、来院体験の意味が大きく変わります。

現場で「どちらのタイプか」を見分ける5つのポイント

初回来院時の言葉と行動に、どちらのタイプかを示すサインがあります。これを知っておくと、初回対応と次回案内の言葉を最初から合わせられます。

ポイント1は「最初に話す悩みの文脈(ぶんみゃく:話の流れ)」です。タイプ1の患者さんは「ずっと腰が痛くて、最近悪化してきた」「病院で検査したけど異常はないと言われた」という時間の長さと困り感を先に話します。タイプ2の患者さんは「最近首が重くて、集中力に影響している」「デスクワーク後のだるさが翌日まで残るようになってきた」という仕事への影響を先に話します。悩みの内容より、その文脈(時間の流れか、仕事への影響か)の方が、タイプ判定の精度が高い。

ポイント2は「価格反応の違い」です。タイプ1の患者さんは、初回施術の後に「値段は高いと思ったけど、思い切って来て良かった」と言うことが多い。費用の高さに一度立ち止まって、それでも選ぶという意思決定をしています。タイプ2の患者さんは、価格への言及が少ない傾向があります。「他と比べて高いか安いか」より「自分のペースで来られるかどうか」の方が意思決定の中心にあります。

ポイント3は「次回予約への反応」です。タイプ1は「また来てもいいですか」と聞いてくることがあります。「また来ていい」という許可を求める傾向があります。タイプ2は「次の予約を入れたい」と自分から提案することが多い。継続することを前提として行動します。この違いを知っておくと、次回案内の伝え方を変えられます。タイプ1には「また来ていただければ一緒に見ていけます」という受け入れの言葉が有効です。タイプ2には「次回はこの点を確認します」という計画の言葉が刺さります。

ポイント4は「来院頻度への感度」です。タイプ1は「週1回来るのは難しい、月2回なら」という制約(せいやく:できない条件)を先に言うことが多い。タイプ2は「自分のスケジュールに合わせてもらえるか」と聞いてきます。制約ではなく調整(ちょうせい:うまく合わせること)を求めています。この違いは、回数券の設計(枚数・有効期限・来院間隔の柔軟性)に直結します。タイプ1には「月2〜3回のペースで進められます」という安心感の設計。タイプ2には「日時の変更が取りやすい予約システム」という利便性の設計が有効です。

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初回来院時の「どちらのタイプか」判定チェック

4つのポイントで確認することで、初回来院時に患者さんのタイプを把握できます。タイプがわかると、次回案内・回数券提案・フォローの言葉を最初から合わせられます。

2タイプに届く広告の言葉を設計する

同じ治療院でも、タイプ1とタイプ2に向けた広告文は、言葉の方向が根本的に異なります。どちらを主軸に設計するかで、広告の反応が変わります。

タイプ1(慢性・重症の高齢患者)に向けた広告で重要なのは、「解決の実績(じっせき:実際の結果)」と「安心感」です。「他の治療院で良くならなかった方が来ています」「病院で異常なしと言われた痛みに対応してきた実績があります」という言葉は、このタイプに強く届きます。「自分と同じ状況の人がすでに来ていて、成果が出ている」という信頼の根拠(こんきょ:信じる理由)を提供することが、行動につながります。

タイプ1への広告でやってはいけないことは、「技術名の羅列(られつ:並べること)」と「若者向けのビジュアル(画像や写真の雰囲気)」です。「PNFストレッチ・関節モビライゼーション」という専門用語は、このタイプにとって「どんな効果があるのかわからない言葉」でしかありません。若いモデルが使われたビジュアルは「自分向けではない」という印象を与えます。言葉もビジュアルも、「この院は自分のような患者を受け入れてくれる場所だ」という安心感を作ることを優先します。

タイプ2(高収入パフォーマンス維持型)に向けた広告で重要なのは、「予防と継続管理の価値」と「利便性」です。「月次のコンディション管理で、仕事のパフォーマンスを維持する」「完全予約制で待ち時間なし、スケジュールを効率よく使えます」という言葉に反応します。「症状を治す」より「体の状態を継続的に管理する」という文脈の方が、このタイプの購買動機に合致しています。

タイプ2への広告でやってはいけないことは、「初回割引のキャンペーン広告」です。「初回1,000円」「今月限定50%オフ」という価格訴求は、このタイプの行動動機とずれています。「安いから試してみる」という層を集めてしまい、継続購入につながりにくい。それよりも「定期ケアのメリット」「継続することで何が変わるか」という中期的な価値を伝える方が、このタイプへの訴求として有効です。

どちらのタイプが多いかによって、広告の主軸(メインで使う言葉の方向)を変えます。タイプ1が多い院は「解決実績と安心感」を前面に出した広告設計。タイプ2が多い院は「予防・管理・利便性」を前面に出した広告設計。両方が来ている場合は、チラシとホームページで打ち出しを分けるか、来院経路によってターゲットを分けることを検討します。どちらのタイプに向けているかを決めないまま書いた広告は、どちらにも刺さらない言葉になりやすい。

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タイプ別 — 届く広告の言葉と避けるべき言葉の対比

同じ院の同じサービスでも、どちらのタイプに向けて書くかで、広告の言葉は変わります。タイプを決めてから言葉を選ぶと、広告が「全員向けのぼんやりした文章」から「特定の人に深く刺さる文章」に変わります。

今日からやること — 自分の「上客」がどちらのタイプかを確認する

まず、今通っている「いいお客さん」を1人思い浮かべてください。回数券を買ってくれた人、リピートしてくれている人、口コミを書いてくれた人。その人はどちらのタイプに近いですか。

ステップ1は「いいお客さんを1人選んで観察する」ことです。その人がいつから通っているか。来るきっかけは何だったか。回数券を買ったのはいつか、何のきっかけだったか。どんな悩みの話をしているか。仕事や生活の話を自分からしているか。これらを思い出して、タイプ1(慢性・重症の問題解決型)とタイプ2(パフォーマンス維持型)のどちらに近いかを確認します。「どちらとも言えない」という場合は、その患者さんにどちらのタイプの言葉がより刺さるかを仮説で決めます。

ステップ2は「今の広告の言葉をそのタイプで読んでみる」ことです。タイプ1なら「解決実績・安心感・同じ状況の先例があること」を確認できる言葉があるかどうか。タイプ2なら「継続管理・予防・利便性」を示す言葉があるかどうか。どちらも見当たらない場合は、今の広告が「自分の院の紹介」になっていて、「特定の患者さんへの語りかけ」になっていないサインです。

ステップ3は「どちらのタイプを主軸に集めるかを決める」ことです。今いる患者さんの構成を思い浮かべたとき、どちらが多いか。どちらを増やしたいか。すでにタイプ1が多い院であれば、タイプ1向けの広告を強化するのが一番効率的です。タイプ2が少ない場合は、タイプ2向けの施術体験(完全予約制・施術記録の共有・定期メンテナンスのプログラム)をまず整えてから広告を出す順番が有効です。

藤井先生が「購入者のスペックを細分化させると必ず共通項ができてくる。買う人は決まっている」と言う意味は、ここにあります。闇雲(やみくも)に「腰痛・肩こり・40〜60代」を対象として広告を出すより、「自分の院に来ているいいお客さんと同じ状況の人を、もっと集める」という設計の方が、広告費の回収率(こうしゅうりつ)が上がります。2タイプを理解して、どちらを主軸にするかを決めることが、今日からできる最初の一歩です。

藤井先生が「ちゃんとやっている人は、本当に何歳で誰というところまで具体的に出せる。そこまで出ないとリサーチ不足」と言うように、いいお客さんの解像度(かいぞうど:どれだけ具体的に見えているか)を上げることは、一夜にはできません。今日の確認作業(どちらのタイプかを1人で考える)を出発点にして、次の来院時に患者さんに「なぜここを選んでくれたのか」「他の院との比較はしたか」「来る前にどんな不安があったか」の3つを一言ずつ聞いてみてください。その答えが、2タイプのどちらにあなたの院の強みが発揮されるかを教えてくれます。集客の改善は、大きな戦略の変更より、現場から聞いて確認するという小さな積み重ねで進みます。

まとめ

自費治療院で安定した収益を作るために、「40〜60代向け」という設定を超えて、回数券を繰り返し買う患者の動機から逆算する集客設計が必要です。

自費回数券を継続購入する患者は、「慢性・重症の高齢患者(生活の継続のために体を維持したい)」と「高収入パフォーマンス維持型(体を仕事の成果につながる資本として扱う)」の2タイプに収束します。どちらも「安いから」ではなく「体に対する明確な価値観があるから」払っています。

この2タイプの購買動機を理解すると、広告の言葉の方向が変わります。タイプ1には「解決実績・安心感・同じ状況の先例」。タイプ2には「継続管理・予防・効率・利便性」。どちらのタイプに向けた言葉かが決まっていると、広告文が自然に具体的になります。どちらにも向けた「全員向けの言葉」は、どちらにも深く届きません。

まず自分の「いいお客さん」を1人選んで、どちらのタイプかを確認してください。そして今の広告の言葉が、そのタイプの動機に届いているかどうかを確認します。合っていなければ、1か所だけ言葉を直してみてください。自費治療院の集客設計は、年代で絞ることから始めて、動機で絞ることへ進んでいく順番で深まっていきます。自院の集客設計を動機から設計し直したい方は、経営層ブリーフィングまたはお問い合わせからご相談ください。

藤井先生が一貫して強調するのは「リサーチを続ける」ことの重要性です。1回の確認で終わりにせず、新しい患者さんが来るたびに「この人はどちらのタイプか」「この人を選んだ理由は何か」「価格や距離をどう感じているか」を観察し続けることで、2タイプの解像度が上がります。解像度が上がると、広告の言葉が自然に研ぎ澄まされていきます。集客は、一発で決まるものではなく、現場のデータを積み重ねながら改善していくものです。

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よくある質問

タイプ1とタイプ2の両方を集めることはできますか?

可能ですが、最初から両方を同時に狙うと広告の言葉がどちらにも届かないぼんやりした文章になりがちです。まずどちらが多く来ているかを確認して、主軸(メインで集めるタイプ)を決めます。チラシとホームページでターゲットを分けたり、集客の時期によって打ち出しを変える方法もあります。両方がいる院では、施術体験(予約のしやすさ・カルテの丁寧さ)を整えると、どちらのタイプにも評価される院になります。

タイプ2(高収入パフォーマンス型)は、地方の治療院でも集めることができますか?

集めることはできますが、そのエリアにどれくらいの数がいるかは立地の影響を受けます。都市部のオフィスビル周辺では比較的集めやすい。地方や住宅街では経営者・農業経営者・医師・教師など、職種の特性によっては同じ動機を持つ患者さんがいます。まず自院の既存患者さんの中に、「体を仕事のパフォーマンスと結びつけて考えている人」がいるかどうかを確認することから始めると、現実的な集客設計ができます。

初回割引キャンペーンをすでに使っています。タイプ2向けに方向転換するには何から変えればいいですか?

まず次の施術から、「本日の状態と前回との変化の比較を記録して共有する」という行動を1つ加えてみてください。これはタイプ2が価値を感じる「継続管理の実感」を提供する最初の一歩です。広告については、「初回割引」を即座に廃止する必要はありませんが、割引の理由を「試してほしいから」から「初回で体の現状を確認するためのステップ」という説明に変えると、続けることを前提とした来院動機を持ちやすくなります。

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