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「えっ、そこがよかったんですか」が治療院の最強コピーになる — 自分では見えない強みを患者さんが教えてくれる仕組みと広告変換3ステップ

治療院の院長が見落としがちな「自分では気づけない魅力」。藤井先生の教えをもとに、患者さんとの会話で起きる「えっ、そこがよかったんですか?」という驚きの瞬間を広告コピーに変える3ステップを解説します。

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藤井翔悟

株式会社藤井翔悟事務所 代表取締役 / 理学療法士

理学療法士として医療現場でキャリアを開始後、治療院経営で起業。自身の事業を年商10億円規模まで成長させた経験をもとに、治療院経営・ヘルスケア経営・企業変革を現場実装型で支援している。

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患者さんの声が集客を変える理由

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腕がいい院長ほど、自分の「当たり前」が見えなくなる理由

あなたが「当然こうする」と思っていることは、患者さんには特別な体験として届いています。

治療院で長年働いていると、自分がやっていることの多くは「当たり前」になります。施術前に必ず患者さんの話をゆっくり聞く。説明を丁寧にする。予約の時間には必ず連絡する。痛みの原因を図を使って説明する。これらは、経験を積んだ施術者にとっては特別なことではなく、当然の仕事の一部です。

しかし患者さんの立場から見ると、まったく違います。「問診票だけ記入して5分後に施術が始まる院」から来た患者さんにとって、「20分間、痛みの歴史を丁寧に聞いてもらえた」は、それだけで大きな体験の違いです。「何をしているか全く説明されなかった院」から来た患者さんにとって、「今からここを触りますね、このくらいの力で押しますよ、と毎回声をかけてくれた」は、ただの礼儀ではなく、心から安心できる理由になります。

この現象には名前があります。「知識の呪い」と呼ばれることがあります。ある技術や経験を持っていると、持っていない人がどのような状態にいるのかを想像しにくくなる、という認知の特性です。料理をよく知る人が、料理が苦手な人に「塩で調味するだけで十分ですよ」と言っても、その「ちょうどよい塩加減」という感覚が伝わらないのと同じです。施術者として当然のことが、患者さんにとっては稀な体験であることを、施術者自身は気づきにくくなります。

これは院長の能力の問題ではありません。むしろ、しっかりした経験を積んでいる証拠でもあります。ただ、この「当たり前の見えなさ」が広告に影響します。強みが見えなければ、強みを言葉にできません。言葉にできなければ、患者さんに伝わりません。強みが伝わらなければ、その院を選ぶ理由を患者さんが見つけられません。だから、自分の強みを自分の頭だけで考えていると、どうしても表面的で似たような言葉になりがちです。「丁寧な施術」「患者さん一人ひとりを大切に」という表現が広告に溢れているのも、この見えなさの結果です。

藤井塾が繰り返し伝える「患者さんに聞く」という作業は、この見えなさを突破するためにあります。自分では気づけないものを、見える形にする作業です。そして、患者さんに聞いてみると、多くの院長が「えっ、そこがよかったんですか?」と思う瞬間が必ず来ます。この驚きこそが、あなたの強みが患者さんにとって本物であった証拠です。

DIAGRAM

「院長の当たり前」と「患者さんの特別体験」のズレ

施術者側の「当然」

当たり前の仕事として行っていること

施術前に話を聞く。説明する。声をかける。時間を守る。これらは日常の業務として行っている。

患者さん側の「特別」

他の院との比較で際立つ体験

「はじめてちゃんと話を聞いてもらえた」「何をするか分かるから怖くなかった」。院を選び直す決め手になる。

施術者にとっての日常は、患者さんにとっての特別体験であることが多くあります。このズレを自力で埋めるのは難しく、患者さんとの会話だけが教えてくれます。このズレを発見したとき、それが広告で使うべき言葉のヒントになります。まず今日の施術が終わった後、「今日の施術で何かよかったことはありましたか?」と一人の患者さんに聞いてみてください。

「えっ、そこが?」という驚きが起きる3つの場面

患者さんが教えてくれる驚きには、3つの典型的なパターンがあります。

患者さんとの会話から「えっ、そこが?」という驚きが生まれるとき、それはいくつかのパターンに分類できます。どのパターンが出るかは院によって違いますが、いずれも「自分では考えもしなかった視点」から来ます。

第1のパターンは「環境への言及」です。院内の空気感、明るさ、音、香り、待合室の雰囲気について患者さんが触れてくることがあります。「ここは入った瞬間、なんか落ち着くんですよ」「BGMがちょうどよくて眠れそうになった」「他の患者さんの話し声が聞こえないのでプライベートな感じがした」。院長はインテリアや照明を「患者さんが来やすいように」と整えたかもしれませんが、それがどのような言葉で患者さんの心に届いているかは、聞かないとわかりません。

第2のパターンは「施術者の人間性への言及」です。「先生の話し方が押しつけがましくなくて好きです」「笑顔が自然で怖くなかった」「こちらが遠慮しているのを察して進めてくれた」「一度話したことを次に来たときも覚えていてくれた」。こういった発言は、院長が「普通のコミュニケーション」として行っていることが、患者さんには大きな差別化ポイントになっていることを示します。人として当然のことを、当然にできていること自体が強みです。

第3のパターンは「信頼感の根拠への言及」です。「良くならなかったときも正直に言ってくれたのが良かった」「何でも治るとは言わなかったことで逆に信頼できた」「院長自身が自分で限界を分かっているから安心できた」。誠実さ、正直さ、知識の範囲を正しく伝えること。これらは院長が「プロとして当然」と思っていることですが、患者さんの目には「珍しい正直さ」として映ります。

これらの驚きに共通することがあります。それは、院長が「広告に使える強みリスト」を作るとき、最初には書かないものだということです。技術的なスキルや資格、施術メニュー、通いやすさといった「説明しやすいこと」を先に書くのが自然です。しかし患者さんが実際に感じている価値は、もっと細かく、もっと人間的な部分に宿っています。この隙間を埋めるのが、患者さんとの会話です。

DIAGRAM

患者さんが教えてくれる「えっ、そこが?」の3パターン

1

顧客

何に困り、何を変えたいのか

問い合わせ・面談・既存顧客の言葉を見る

2

競合

何を打ち出し、どこが空白か

価格帯・訴求・導線を比較する

3

商品

相手にとって何を意味するか

特徴を生活上の価値へ翻訳する

院長が自力で作るリストには「環境への言及・人間性への言及・信頼感の根拠」は出てきにくいです。この3パターンが患者さんから出てきたとき、そのままの言葉で書き留めてください。そこがあなたの院の本当の広告コピーです。まず今日、施術後に患者さんと話しているとき「今日の施術で気になったこと、よかったことは何かありましたか?」の一言を試してください。

「予想外の強み」を広告コピーに変える3ステップ

驚きを広告コピーにするには、3つの工程があります。集めて、磨かずに、試す順番です。

患者さんから「えっ、そこが?」という驚きをもらったとき、それをそのままにしておくと忘れます。広告コピーに変えるためには、3つのステップが必要です。難しい作業ではありません。むしろシンプルにすることが重要で、複雑にすると続きません。

ステップ1は「驚きを発生させる場をつくること」です。患者さんが自然に強みを教えてくれる場面というのは、偶然ではなく、ある程度意図して作れます。施術が終わった直後、患者さんがリラックスして立ち上がる瞬間、「今日はどうでしたか?」と声をかける。帰り際に「何かお気づきの点があれば教えていただけると助かります」と一言添える。これだけで、患者さんは驚くほど自然に感想を言ってくれます。重要なのは、この問いかけが評価を求めているのではなく、純粋に「患者さんが体験したことを聞かせてほしい」という姿勢であることです。形式的なアンケート用紙は、正直な言葉を引き出しにくくします。会話の延長で軽く聞く、というスタンスが一番機能します。

ステップ2は「患者さんの言葉をそのまま書き留めること」です。「なんか落ち着けました」という言葉を、「落ち着ける環境を整備しております」に書き換えてはいけません。磨こうとすると、患者さんの生の言葉が持つリアリティが消えます。一番大事なことは、患者さんが実際に使った言葉を変えないことです。スマートフォンのメモアプリに、その日の日付と一緒に短く記録するだけで十分です。「10月11日:今日は眠れそうになるくらい心地よかったと言ってもらった」。この記録を週に1回見返すだけで、言葉のパターンが見えてきます。

ステップ3は「集まった言葉を商品リサーチのリストに追加して試すこと」です。商品リサーチで作ったベネフィットリスト(50個の強み一覧)には、自分目線で書いた言葉が並んでいます。患者さんの言葉は、そのリストの余白に追加します。追加した言葉を、次のチラシやホームページのファーストビューに1つ使ってみます。「なんか落ち着けました」なら、「来院した方から『なんか落ち着けました』というお声をいただいています」という形でそのまま載せることができます。患者さんの言葉そのものが見出しになります。これが最も反応しやすいコピーの形の一つです。なぜなら、実際の患者さんが使った言葉だからです。

この3ステップで大切なのは、技術や設備への説明を減らすことではありません。患者さんが実際に感じた価値を、患者さんの言葉で加える、という作業です。「完全予約制・個別施術」という説明に「来院した患者さんから『他の院と違って、自分だけに集中してもらえる感じがした』というご感想をいただいています」が加わるとき、前者は情報であり、後者は証拠です。広告に情報だけが並ぶより、証拠が一つ入った方が患者さんは信じやすくなります。

さらに重要な点があります。この3ステップは、やめてしまうと機能しなくなります。1回やって終わりにすると、1年前の患者さんの言葉を元に今の広告を作ることになります。藤井先生が「リサーチは止まることなくずっと続けていくもの」と言う意味は、ここにも当てはまります。毎月1回、新しい患者さんの言葉を1つ追加する。それだけのシンプルな継続で、広告の言葉は少しずつ実際の患者さんに近づいていきます。

DIAGRAM

「えっ、そこが?」の驚きを広告コピーに変える3ステップ

FEATURE

評価を重視しています

専門家側の説明。正しいが、読み手にとって何が良いのかがまだ見えにくい。

VALUE

なぜ痛みが続くのかを確認してから方針を決める

顧客側の言葉。施術の特徴が、選ぶ理由として理解しやすくなる。

驚きが生まれる場をつくり→言葉をそのまま記録し→リストに追加して広告に試す。この順番を逆にしないことが大切です。患者さんの言葉を先に「良い広告コピー」に改変しようとすると、リアリティが消えます。まず記録し、そのまま使うことから始めてください。今週の施術が終わった後、1人の患者さんに「今日どうでしたか?」と聞いて、その言葉をそのまま書き留めるところから始めます。

施術の流れに「驚き発見の会話」を組み込む5つの場面

特別に時間を取らなくても、日常の施術フローの中に組み込める場面があります。

「患者さんに聞く時間がない」という声は、よく聞きます。施術は1時間以上かかる。問診もある。次の患者さんが待っている。この現実の中で、患者さんの言葉を引き出す会話を別途設けるのは難しいと感じるのは当然です。しかし、この作業は専用の時間を設けなくてもできます。むしろ、すでに行っている施術の流れの中に、問いかけを差し込むだけです。施術フローを変える必要はありません。既存の会話の中に、一言だけ差し込む。それだけで、患者さんの言葉が集まり始めます。

場面1は「施術の開始前」です。患者さんが来院して最初に座ったとき、「前回から今日まで、何か気になったことはありましたか?」と聞くことは、問診の一環として自然です。この問いかけの中で、「前回の施術で、〇〇がよかったです」という言葉が出ることがあります。これは次回の施術への信頼感の確認であり、あなたの強みが何であるかを患者さんが教えてくれる瞬間でもあります。問診票には出てこない、会話の中だけで出る言葉があります。この瞬間をつかむためにも、問診を紙と口の両方で行うことの意味があります。

場面2は「施術中の自然な会話」です。体の状態を確認しながら施術を進めるとき、患者さんは多くのことを話します。「この間、職場で椅子を変えたんですけどね」「娘が来週から学校に戻るみたいで」といった日常の話の中に、「この院の施術で変わったこと」「他の院との違いについて感じていること」が混ざることがあります。すべてを記録する必要はありません。「えっ、そこが?」と思った言葉だけを、施術後にメモします。施術中は書けないので、後でも思い出せる1〜2語のキーワードを心の中で保持しておくだけで十分です。

場面3は「施術直後のリラックス時間」です。施術が終わってすぐは、患者さんの緊張がほぐれた状態です。「今日の施術、いかがでしたか?」という一言が、一番自然に会話につながります。この場面での患者さんの言葉には、施術中よりも素直な感想が出やすいです。特に「今日は特によかった」「いつもと少し違う感じがした」という言葉が出たとき、「それはどういう点でしたか?」と1つ追いかける質問をするだけで、具体的な強みの言葉が引き出せます。

場面4は「次回予約の確認時」です。次回の予約を取るとき、患者さんは継続するかどうかの気持ちを最も意識しています。このタイミングで「また来ようと思ってくださっているのは、どういうところが決め手でしたか?」という問いかけは、患者さんが「選び続けている理由」を教えてくれます。この理由は、まだ来院していない患者さんへの広告に直接使えます。なぜなら、同じ理由で選ぶ可能性がある患者さんに向けて書く言葉だからです。

場面5は「紹介の瞬間」です。患者さんが誰かを紹介してくれるとき、紹介の理由は非常に価値が高い言葉です。「なぜ友人に紹介しようと思ったのですか?」という一言を、紹介の連絡が入ったときか、紹介者が来院したときに尋ねてください。「先生が正直だから」「施術の後、毎回体が軽くなるって言ったら『行ってみたい』ってなった」「先生の説明がわかりやすいって聞いてた」。これらの言葉は、紹介されてきた患者さんが来院した理由であり、あなたの院が外部でどう語られているかの証拠です。自院の広告よりも、口コミで使われている言葉の方が本物に近いことが多く、広告コピーとして最も強力になります。

院長が自分で考えた広告コピーが「あと一歩届かない」理由

院長が一人で書いたコピーが弱いのは、能力の問題ではなく、視点の問題です。

多くの治療院の広告には、「丁寧な施術」「アットホームな雰囲気」「患者さん一人ひとりを大切に」という言葉があります。この表現が悪いわけではありません。ただ、どの院の広告にも似たような言葉が並んでいるため、「この院だから選ぶ理由」にはなりにくいという現実があります。院長が一人で考えた言葉には、どうしても「自分が言いたいこと」が前に出てきます。患者さんが実際に感じたことではなく、院長が理想として描く院の姿が言葉になります。

患者さんの言葉はまったく違います。「声がやさしかった」「緊張をほぐしてくれた」「何も説明しなくても分かってくれた」。これらは、院長が考えた言葉ではなく、患者さんが実際に体験したことから出てきた言葉です。この「実際に体験した」という事実が、広告の言葉に重みを与えます。チラシやホームページを見た見込み患者さんは、「誰かがそう感じた」という証拠を、自分が考えた言葉よりも信頼します。

具体的な例で考えてみます。「完全予約制で丁寧に対応しています」という院長が自分で書いた表現と、「来るたびに、先生がこちらの状態を全部覚えていてくれて、一からまた説明しなくていいのが助かった」という患者さんの発言を比べてください。両方が「完全予約制の価値」を表していますが、後者の言葉の方が、同じ経験をした読み手の心に刺さります。「あの感じ、私も感じたことがある」という共鳴が起きるからです。院長が書いたコピーは正確ですが、患者さんの言葉は体験のリアリティを持っています。

もう一つ理由があります。患者さんの言葉は、次の患者さんが使う言葉と近いです。同じ悩みを持つ人は、同じような言葉で悩みを表現します。すでに来院している患者さんが使った言葉は、同じ悩みを抱えてまだ院を探している人が、検索エンジンに入力する言葉と重なることがあります。つまり、患者さんの言葉を広告に使うことは、検索で見つけてもらいやすくなる可能性にもつながります。SEO的な効果も、院長が考えた「正しい表現」より、患者さんが実際に使った言葉の方が高いことが少なくありません。

「えっ、そこがよかったんですか?」という驚きは、院長が「強みとして自覚できていなかった」証拠です。自覚できていないものは書けません。患者さんに聞いて初めて気づけるものが、強みの中に必ずあります。この驚きを積み重ねることで、「自分では気づかなかった自分の院の本当の価値」が、少しずつ言葉になっていきます。言葉になれば書ける。書けば広告になる。広告になれば届く。この連鎖の始まりは、患者さんへの一言の問いかけです。

今日やること — 1つの驚きを記録する

今日やることは、施術後の一問と一記録だけです。特別な準備は何もいりません。

今日の施術が終わった後、一人の患者さんに「今日の施術で、何かよかったなと感じたことはありましたか?」と聞いてください。答えが「特にないです」でも、問題ありません。「なんか落ち着きました」「いつもより肩が軽い感じがします」「先生の説明が分かりやすかったです」という言葉が出たとき、その言葉をスマートフォンのメモにそのまま書き留めます。

この作業を今日1回やれば十分です。毎日やる必要はありません。週に1回、患者さんに聞いて、出た言葉を書き留める。月に4〜5個集まれば、半年後には20〜30個の患者さんの言葉が手元にあります。その言葉の中から、「えっ、そこが?」と思った1〜2個を、次のチラシかホームページの更新に使ってみます。

この積み重ねが、「院長が考えた広告」から「患者さんの体験を伝える広告」への変化を生みます。自分では気づけない強みは、患者さんだけが知っています。その知恵を引き出すのに、特別な道具も大きな時間も必要ありません。今日の施術後の一言から始まります。

続けるうちに、ある変化が起きます。「また違う言葉が出た」という小さな驚きが積み重なり、半年後には30〜40個の患者さんの言葉が手元に揃います。その中から3つ選んでチラシに使ったとき、手に取った人の反応が今までと変わる瞬間があります。その変化が、「患者さんに聞いてよかった」と実感できる証拠になります。院長が一人で考えた言葉では、その変化は起きません。患者さんの言葉だから起きる変化です。この変化を経験するためにも、まず今日の一問から始めてください。

PRACTICAL PROGRAM

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よくある質問

患者さんに感想を聞くのが恥ずかしいと感じます。自然にできる方法はありますか?

「アンケートをお願いします」ではなく、「今日の施術、いかがでしたか?」という普通の会話として聞くと自然です。評価を求めているのではなく、体の状態を確認している延長として聞くスタンスが大切です。施術直後の「どうですか?」は、ほとんどの患者さんが違和感なく答えてくれます。「感想をください」という意図が前に出ると、患者さんは「正解」を探して無難な答えをします。「体の状態を確認している」スタンスで聞くと、患者さんは自分が実際に感じたことを自然に話してくれます。この姿勢の違いが、引き出せる言葉の質と深さを大きく変えます。

患者さんの言葉を広告に使う場合、許可が必要ですか?

名前や個人を特定できる情報(院名・職業・症状など)を使う場合は許可が必要です。ただし「来院した患者さんのお声」として言葉だけを匿名で使う場合、個人が特定されない範囲であれば許可不要で活用できることが多いです。それでも迷う場合は、「こんな感想をいただくことがあります。紹介してもよいですか?」と一言添えるのが最も丁寧です。

「よかったです」以外の言葉が出ないときはどうすればいいですか?

「よかったです」は会話の入口です。「よかったです、と言っていただきましたが、特にどのあたりでしたか?」と一つ追いかけると、具体的な言葉が出てくることがあります。「声がやさしかった」「怖くなかった」「説明が分かりやすかった」。抽象的な感想が具体的な言葉になるのは、この一言の追いかけによります。

商品リサーチですでに50個のリストを作っています。患者さんの言葉はどこに追加すればいいですか?

既存のリストの末尾に、日付と患者さんの言葉をそのまま追加します。番号を振る必要はありません。「10月11日:なんか落ち着けました、という言葉をもらった」という形で書き留めるだけで十分です。あとで見直すとき、自分が考えた言葉との違いが一目でわかります。患者さんの言葉は印をつけておくと、広告コピーを書くときに見つけやすくなります。

「えっ、そこが?」という驚きが全然起きないのですが、何かおかしいですか?

聞き始めて最初の1〜2週間は、驚きが出ないことも多いです。患者さんもまだ「どんな感想を求められているのか」をつかんでいないからです。2〜3回聞いてみると、徐々に具体的な言葉が出やすくなります。また「よかったです」だけで終わったとき、「特にどのあたりでしたか?」と一言追いかけることで驚きが生まれやすくなります。まずは2週間、一言の問いかけを続けてみてください。

集めた患者さんの言葉を、どのような形で広告に使うのが効果的ですか?

最も効果的な使い方は、チラシやホームページの「お客様の声」欄に、患者さんの言葉をそのまま短く載せることです。「先生の声がやさしくて、施術中に眠れそうになった」「最初の問診だけで、ここなら変わると思えた」という形で、患者さんが実際に使った表現をできるだけそのまま使います。長い文章にする必要はありません。1〜2行の短い言葉でも、読んだ人の「この院は自分に合いそう」という感覚を引き出せます。また、見出しの中に患者さんの言葉を織り交ぜる方法もあります。「丁寧な施術」ではなく「来るたびに状態を覚えてくれている院」のように、患者さんの体験から生まれた表現で見出しを作ると、読み手の反応が変わります。

施術の質に自信があります。それでも患者さんに聞く必要がありますか?

技術への自信は重要ですが、広告コピーに必要なのは技術の説明ではなく、その技術が患者さんの生活にどう影響したかの言葉です。「理学療法士10年の経験があります」という技術の説明と、「10年かかえていた肩こりが、3回の施術で楽になった気がした」という患者さんの体験は、まったく別の情報です。後者を広告に使うためには、患者さんに聞くしかありません。技術の高さが患者さんにどう伝わっているかを知るのも、患者さんとの会話だけができることです。技術に自信があるほど、その技術がどう体験されているかを確かめる価値があります。

この記事の内容を実践するとき、まず何から手をつければよいですか?

最初に取りかかることは「今日の施術の最後に、一人の患者さんに感想を聞く」だけです。方法もシステムも記録フォーマットも、後から整えれば十分です。最初から完璧な仕組みを作ろうとすると、始めるまでの準備が負担になって先延ばしになります。まず今日1回聞く。明日また1回聞く。この繰り返しが2週間続いた時点で、初めて「どう記録するか」「どう広告に使うか」を考えてください。土台がなければ仕組みは要りません。患者さんの言葉が少しでも集まってから、仕組みを組み立てる順番の方がうまくいきます。「聞く習慣」が先で「活用の仕組み」は後です。

出典

  1. [1]藤井翔悟コンサルティング『患者さんの声から強みを発見する商品リサーチ』(藤井塾20期生 第2回目 Vol.2 Vimeo)

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