40代と70代に同じ見出しを出してはいけない — 患者像ごとに欲求を分ける広告設計
同じ腰痛でも、40代と70代では相談したい理由が異なります。藤井塾Vol.2をもとに、年代、生活、行動のきっかけを分け、患者像ごとに広告メッセージを作る手順を解説します。

AUTHOR
藤井翔悟
株式会社藤井翔悟事務所 代表取締役 / 理学療法士
理学療法士として医療現場でキャリアを開始後、治療院経営で起業。自身の事業を年商10億円規模まで成長させた経験をもとに、治療院経営・ヘルスケア経営・企業変革を現場実装型で支援している。
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同じ症状でも、取り戻したい生活は違う
症状名は入口であり、広告を動かすのは生活上の目的です。
症状だけで対象をまとめると、見出しは似たものになります。腰痛、肩こり、頭痛という言葉は必要ですが、それだけでは他院との違いも、今相談する理由も伝わりません。
働く世代なら、会議に集中したい、出張を不安なくこなしたい、子どもを抱き上げたいという目的があるかもしれません。高齢層なら、買い物へ歩いて行きたい、趣味を続けたい、家族に迷惑をかけたくないという目的かもしれません。
広告では、症状と生活目的をつなぎます。年代を決めつけるのではなく、実際の聞き取りから繰り返し出る目的を使います。
DIAGRAM
症状名から生活目的へ
BROAD
腰痛の方へ
対象は広いが、誰が今動くべきかが見えない。
SPECIFIC
仕事中の不安を減らしたい方へ
症状が妨げている生活と行動理由までつなげる。
患者像を具体化する5つの軸
年齢だけでなく、生活、困りごと、きっかけ、比較、行動手段を見ます。
一つ目は生活背景です。仕事、家事、介護、趣味など、症状が影響する場面を確認します。二つ目は具体的な困りごと。痛みの強さだけでなく、できなくなった行動を聞きます。
三つ目は探し始めたきっかけ。予定、再発、家族の一言、これまでの対処への限界などです。四つ目は比較基準。距離、専門性、説明、価格、予約のしやすさのうち、何を重視したか。五つ目は行動手段。電話、LINE、フォームのどれを使いやすいと感じたかです。
5軸が揃うと、媒体の設定だけでなく、見出し、本文、FAQ、CTAまで一貫します。
DIAGRAM
患者像を作る5つの事実
生活
仕事、家事、趣味、役割。
困りごと
何ができずに困るのか。
きっかけ
なぜ今探し始めたか。
比較
何を基準に選んだか。
行動
どう予約したかったか。
FIRST DOMAIN
属性ではなく、意思決定の流れまで具体化する。
見出し、安心材料、CTAを患者像ごとに変える
対象を変えたら、ページの最初から最後まで同じ相手へ話します。
患者像を決めても、見出しだけ変えて本文が共通のままでは効果が弱くなります。見出しは生活上の困りごと、本文は選択基準、FAQは行動前の不安、CTAは使いやすい連絡手段へ合わせます。
たとえば忙しい働く世代には、時間の見通し、予約変更、仕事との両立が安心材料になりやすい。一方、通院への移動が不安な層には、場所、駐車、施術の流れ、家族が確認できる説明が重要かもしれません。
決めつけず、同じ患者像に近い複数人から共通点を探します。
DIAGRAM
患者像ごとに揃える3つの広告要素
1
悩み
HEADLINE
生活のどの場面を取り戻したいか。
2
安心
TRUST
予約前の不安を何で減らすか。
3
行動
ACTION
迷わず使える連絡方法は何か。
想像で作ったペルソナを広告へ出さない
ペルソナは物語ではなく、複数の顧客事実をまとめた判断道具です。
名前、年齢、職業、趣味を細かく書いても、根拠がなければ机上の空論です。藤井塾の講義でも、自分の直感や『きっとこうだ』という仮説は外れやすいと指摘されています。
予約記録、問診、患者さんへの聞き取りから事実を集めます。一人の特殊な事情を全体へ広げず、複数人で繰り返す困りごと、きっかけ、比較基準を残します。
仮説を広告へ出した後も、問い合わせ時に『どの言葉が気になりましたか』と聞きます。患者像は一度決めるものではなく、反応で更新するものです。
DIAGRAM
想像を患者像へ変える3段階
STEP 1
記録
既存患者の共通項を見る。
STEP 2
聞く
困りごとと選択理由を確認する。
STEP 3
更新
広告反応で仮説を直す。
今日やること — 同じ症状で見出しを2本作る
患者像を二つに分け、生活目的が違う見出しを作ります。
自院で多い症状を一つ選び、その症状を持つ患者さんを生活目的の違いで二つに分けてください。年代だけでなく、何をできるようにしたいか、なぜ今相談したかを基準にします。
それぞれに対して、症状名と生活目的をつないだ見出しを一本ずつ作ります。次に、安心材料と予約導線がその患者像へ合っているか確認します。
どちらが正しいかは会議で決めません。小さく出し、問い合わせ時に反応した言葉を聞き、実際の数字で残す方を決めます。
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よくある質問
ペルソナは年齢と性別だけ決めればよいですか?
年齢と性別だけでは不十分です。生活背景、具体的な困りごと、探し始めたきっかけ、比較基準、使いやすい行動手段まで確認してください。
対象を絞ると、ほかの患者さんが来なくなりませんか?
一つの広告で誰に話すかを明確にすることと、院全体の対応範囲を狭めることは別です。患者像別に広告を分け、反応を比較できます。
患者像はどのくらいの頻度で見直しますか?
少なくとも広告テストの区切りごとに見直し、問い合わせ時の言葉や来院者の変化を反映してください。市場や生活環境が変われば欲求も変わります。
