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「チラシのどこを見て来ようと思いましたか?」が広告を変える — 治療院の来院決断インタビューで「当たり所」を見つける3ステップ

チラシやホームページに費用をかけているのに「どこが反応したか」を知らないままでは、改善できません。藤井先生が語る「来院決断インタビュー」で、広告の当たり所を患者さんから直接聞き出す3ステップを解説します。

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藤井翔悟

株式会社藤井翔悟事務所 代表取締役 / 理学療法士

理学療法士として医療現場でキャリアを開始後、治療院経営で起業。自身の事業を年商10億円規模まで成長させた経験をもとに、治療院経営・ヘルスケア経営・企業変革を現場実装型で支援している。

広告費を使っているのに「どこが刺さったか」を把握していない治療院が多い理由

チラシを見て来てくれた患者さんは毎月います。でも「チラシの何を見て来たか」を院が把握しているケースは少ないです。

新規患者さんが来院してくれると、多くの院長はまず「良かった、チラシが機能した」と感じます。しかし、患者さんがチラシの何を見て来院したのかを聞いていないと、「チラシが機能した」という事実しかわかりません。どの見出しが目に止まったのか、どの写真や価格表示が安心を与えたのか、どの言葉が「ここに電話しよう」という気持ちを引き出したのか。この情報がなければ、次のチラシを改善するときに根拠がありません。

「どこが良くて来たんだろう」という疑問を持っていても、来院直後は手続きや問診に集中します。施術中は体の話になります。会計のときにはもう次の予約の話になっています。「なぜ来たのか」を聞く場面が自然には生まれず、結果として何も聞かないまま終わります。これは院長の怠慢ではなく、意識して場を作らない限り起きない会話だということです。

もう一つ理由があります。「患者さんに聞いたらプレッシャーを与えてしまうのでは」「アンケートを強要しているように思われないか」という遠慮です。しかし藤井先生の言葉にもある通り、患者さんは「自分が思ってもいないことを言ってくれる」存在です。問いかけ方次第で、患者さんは自分の体験を自然に話してくれます。評価を求めているのではなく、純粋に「なぜここを選んでいただけたのか知りたい」というスタンスで聞くと、患者さんは驚くほど素直に答えてくれます。遠慮がなくなれば、聞けます。聞けば、当たり所がわかります。

さらにもう一点があります。院長は自分が「強い」と思っている部分を広告に入れがちです。技術の説明、資格、施術時間、価格。これらは確かに患者さんが事前に確認する情報です。しかし「これが決め手だった」という要素は、院長の予想と違うことが多いです。「地図が分かりやすかった」「電話番号が大きく書いてあって押しやすかった」「施術前後の写真が同じ人だったから説得力があった」。こういった「見落としていた要素」を知るのが、来院決断インタビューです。

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「チラシが来た」だけ知っている院と「何が決め手だったか」を知っている院の違い

「チラシから来た」という事実だけでは改善できません。何が決め手だったかを患者さんから聞き、記録した院だけが根拠のある改善ができます。今日から1人の患者さんに「チラシのどこを見て来ようと思いましたか?」と聞いてみてください。それだけで情報が変わり始めます。

「来院決断インタビュー」とは何か — 藤井先生が語る3つの深掘り質問

来院決断インタビューは特別な調査ではありません。施術後の自然な会話の中に3つの問いを差し込むだけです。

藤井塾の講義では、患者さんへのインタビューについてこう言われています。「どんな悩みがあったのかとかね。今まで、もっと細かく掘り起こすと、自分自身も結構気づかなかった悩みっていうものが、実は出てきたりするものなんですね。なので、深掘りしてみてください」。そして続けて「どうして選んでくれたのか。チラシを見て、どういうチラシで、どこに行こうかなって思ってくれたのかとか」と具体的な問いを示しています。これが「来院決断インタビュー」の核心です。

来院決断インタビューは3段階の質問から構成されます。第1段階は「悩みの深掘り」です。「どんなことで困っていましたか?」という最初の問いの後、「それはいつ頃から?」「以前に他の院に行ったことはありますか?どうでしたか?」と追いかけます。患者さんは来院前に自分の悩みを「腰が痛い」と大きくくくっています。でも深掘りすると「3年前から続く腰痛で、特に座って立つときが一番つらい。病院に2回行ったけど薬だけで変わらなかった」という具体的な状況が出てきます。この具体性が、次の広告の言葉の材料になります。

第2段階は「選んだ理由の確認」です。「なぜ数ある治療院の中から当院を選んでいただけたのですか?」という問いです。患者さんは他の選択肢と比較した上でここに来ています。「Googleで調べて他にも3院見たけど、ここだけ電話番号が目立っていてすぐ電話できた」「知り合いに勧められた」「Googleのレビューが良かった」「ホームページの先生の顔が良さそうだった」。これらはすべて、あなたの院が他と比べて勝った要素です。

第3段階が「広告の当たり所の確認」です。「チラシ(またはホームページ)を見ていただいたと思うのですが、どのあたりを見て来ようと思いましたか?」という問いです。これが来院決断インタビューの中で最も価値が高い質問です。この問いに対する答えが、「チラシのどこが機能しているか」を直接教えてくれます。院長が一番目立つように作った見出しよりも、「地図が分かりやすかった」「3回コースの説明があって安心した」「無料相談って書いてあったから」という意外な答えが出ることがあります。その意外さが、次の改善の根拠です。

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来院決断インタビュー3段階の流れ

3段階のどれか1つだけでも情報は増えます。しかし第3段階まで聞けたとき、広告の「当たり所」が具体的に分かります。この3つは一度に聞く必要はありません。施術の前後、自然な会話の延長で1つずつ聞くだけで十分です。まず今日は第1段階の「どんなことで困っていましたか?」から始めてください。

「自分が思ってもいないことを言ってくれる」— 予想外の答えが次の広告を変える

院長が大切だと思っているポイントと、患者さんが来院を決めた理由は、ずれていることがほとんどです。

「自分が思ってもいないことを言ってくれたりします」という藤井先生の言葉は、一つの大切な事実を示しています。院長と患者さんは、同じ広告を違う目で見ているということです。院長はチラシを作るとき「施術の技術」「資格」「症状への対応力」を前に出します。しかし患者さんがチラシを見るとき、まず確認するのは「自分の悩みが書いてあるか」「電話しやすそうか」「場所は行きやすいか」「価格は予算内か」「怪しくないか」です。院長が強調した技術面を見て来院を決める患者さんもいますが、それ以外の予想外の理由で来院を決めている患者さんが多くいます。

ある自費整体院で、院長が最も力を入れて書いたのは「姿勢改善の専門院」という見出しと、施術前後の比較写真でした。しかし来院した患者さんに「チラシのどこを見て来ようと思いましたか?」と聞いたところ、「『完全予約制で他の患者さんと会わない』って書いてあったので。以前の院で待合室で知り合いに会ってしまって、それが嫌で。」という答えが返ってきました。院長はその文章を「付け足し情報」として書いていた一行が、実は最大の決め手だったのです。この患者さんの来院を決めたのは技術ではなく、プライバシーへの配慮でした。

この予想外の答えには二つの価値があります。一つは「広告の何が機能していたか」を知れることです。知ることで、次の改善で「機能していた部分は残す、機能していなかった部分を変える」という判断ができます。もう一つは「これまで広告に使っていなかった強みの発見」です。「完全予約制でプライバシーが守られる」という価値を大きく訴求していなかった院長は、患者さんの声をきっかけにこの要素をチラシのファーストビューに移動させました。結果として同様のニーズを持つ患者さんの来院が増えました。

これが藤井先生が言う「深掘りすると、自分自身も気づかなかった悩みが出てきたりする」の意味です。患者さんの悩みを深堀りすると、院長が気づかなかった患者さんの内側の不安や希望が見えます。その不安や希望に対応できる自院の特徴が広告に入っていれば、来院の決め手になります。入っていなければ、入れることで反応が変わります。「自分では気づかなかった患者さんの悩み」と「自分では気づかなかった院の強み」の両方が、来院決断インタビューから見えてくるのです。

もう一つ重要な観点があります。「価格は高いと思ったのか、安いと思ったのか」という問いについてです。価格は患者さんが最も迷う要素の一つです。「価格が高いと感じた患者さんは、それでも来院を決めた理由は何か」「価格が思ったより安かったと感じた患者さんは、最初どのくらいを想定していたか」。これを聞くことで、自院の価格設定に対する市場の感覚が分かります。来院決断インタビューは、広告の当たり所だけでなく、価格感覚のリサーチとしても機能します。

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院長が「広告の決め手」と思っているものと、患者さんの実際の来院理由のズレ

院長が強調した要素

技術・資格・施術の特長

「姿勢改善専門院」「国際認定資格保持」「根本から治す施術」。院長が自信を持つ技術面の説明が中心。

患者さんが実際に反応した要素

プライバシー・アクセス・安心感

「完全予約制で知り合いと会わない」「電話番号が大きくて押しやすかった」「地図が分かりやすかった」。日常の感覚から来た判断。

院長が重視して作った要素と、患者さんが実際に反応した要素が違うことは珍しくありません。このズレが分かったとき、広告を作り直す根拠が生まれます。患者さんに「チラシのどこを見て来ようと思いましたか?」と聞かない限り、このズレは見えません。今日の患者さん1人に聞くことで、このズレが少しずつ見え始めます。

来院決断インタビューを施術フローに自然に組み込む4つのタイミング

「患者さんに聞く時間がない」という現実の中で、既存の施術フローを変えずに差し込める4つのタイミングがあります。

来院決断インタビューは「別の時間を作らないといけない」ものではありません。すでに行っている施術の流れの中に、一言を追加するだけです。4つのタイミングを知っておくと、患者さんに違和感を与えずに情報を集めることができます。

タイミング1は「問診のとき」です。新規患者さんの問診は、すでに会話が始まっています。「どんなことでお困りですか?」という通常の問診に続けて「どのくらい前からですか?」「他の院には行ったことがありますか?どうでしたか?」と追いかけます。これは悩みの深掘り(第1段階)に相当します。問診の流れを邪魔せず、自然に深く聞けるタイミングです。患者さんの緊張が高い初期ほど、「ちゃんと聞いてくれる先生だ」という印象を作りやすくなります。

タイミング2は「施術が終わった直後」です。施術が終わって、患者さんが起き上がったばかりの瞬間は、リラックスしていて話しやすい状態です。「今日はどうでしたか?」という最初の問いかけの後、「そういえば、どこかでうちのことを知っていただいたのですか?」「チラシをご覧いただいたとのことで、どのあたりを見て来ようと思っていただけましたか?」という形で第3段階の問いにつなげられます。施術が終わって良い体験をした後なので、患者さんは来院を決めた理由を話す気持ちになっています。

タイミング3は「次回予約を取るとき」です。「また来てください」という言葉を交わすタイミングで、「今日来てみていかがでしたか?来院前と比べて何か感じたことはありますか?」と聞けます。また来ようという気持ちになっている患者さんは、来院を続ける理由を持っています。その理由が、あなたの院の継続来院を生む強みです。広告の当たり所ではなく「継続の当たり所」を知ることができます。

タイミング4は「2回目以降の来院時」です。初回では恥ずかしくて言えなかったことや、1回施術を受けてから分かったことを話してくれる患者さんがいます。「前回、チラシを見て来ていただいたとのことでしたが、来る前に不安なことはありましたか?」という問いかけは、来院前の不安と来院後の解消の両方を教えてくれます。この「来院前の不安」は、同じ不安を持ってまだ来院を迷っている潜在患者さんへの広告言葉になります。

4つのタイミング全部を毎回実行する必要はありません。来週からの1週間、「新規患者さんが来たら施術後に1問聞く」だけを試してみます。その1週間で2〜3人の患者さんから答えが出れば、「何が当たり所だったか」の手がかりが少しずつ見えてきます。聞き始めた院長のほとんどが「思っていたのと違う答えが出た」と言います。その驚きが、広告改善の本当のスタートです。一問聞くことに慣れてきたら、次第に「深掘りの問い」も自然に出せるようになります。問いかけること自体が上手くなる、という経験は、マーケティングの中で最も実践的な学びの一つです。

患者さんの答えを広告の言葉に変える3ステップ

集まった情報は記録して、分析して、次の広告に反映させます。この流れを作ることで、チラシが毎回少しずつ良くなります。

患者さんの答えを広告改善に活かすためには、3つのステップが必要です。これは複雑な作業ではありませんが、意識して仕組みにしないと忘れてしまいます。シンプルな形で続けることが重要です。

ステップ1は「書き留める」です。患者さんから答えが出た直後、その場でスマートフォンのメモに書き留めます。書き直したり整えたりする必要はありません。「10月12日:Cさん。チラシの完全予約制の一文が決め手だったと言っていた。価格は思ったより安かったとのこと」という短い記録で十分です。この記録を積み重ねることが、分析の材料になります。忘れてしまえば何も変わりません。まず書き留める習慣だけを作ります。

ステップ2は「パターンを見つける」です。1ヶ月間記録を続けると、5〜10件の患者さんの声が集まります。この段階で「どの要素が複数の患者さんから言及されたか」を確認します。3人が「電話番号が分かりやすかった」と言ったなら、電話番号の表示がチラシの当たり所です。4人が「チラシの見出しの『腰が重だるい方へ』という言葉が自分のことだと思った」と言ったなら、その言葉が反応のトリガーです。1人だけが言ったことは個人の好みかもしれませんが、複数が言及した要素は改善の根拠になります。

ステップ3は「次の広告に反映させる」です。「当たり所だった要素を大きくする」「刺さらなかった要素を変える」「新しく発見した患者さんの悩みを見出しに加える」という作業です。チラシ全体を作り直す必要はありません。機能していた部分は残したまま、1〜2箇所だけ変える。その変えた部分が次の改善の検証になります。チラシを1枚全部変えると、何が反応の変化を生んだかが分かりません。1〜2箇所を変えて、反応を計測する。この小さな改善サイクルが、チラシを少しずつ「当たる広告」に近づけます。

これが藤井先生が語る「いろんなテストをする上でいい素材になる」の意味です。来院決断インタビューで得られた情報は、次のテストの材料になります。患者さんから聞いた「当たり所」を起点に改善を重ねることで、感覚ではなく根拠ある広告改善が続きます。

一つ注意点があります。患者さんの答えを広告にそのまま使う場合、個人が特定される情報は使わないことが必要です。名前・職業・年齢・症状の詳細が特定につながる形では使いません。「来院した患者さんのお声」として一般化し、個人が分からない形で活用します。「完全予約制でプライバシーが守られると知って安心できた、というお声をいただいています」という形が適切です。また、施術の結果について言及する場合は「〜のお悩みを持つ方からお声をいただいています」という形に止め、治療効果の断言は避けます。

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来院決断インタビューの回答を広告改善に変える3ステップ

FEATURE

評価を重視しています

専門家側の説明。正しいが、読み手にとって何が良いのかがまだ見えにくい。

VALUE

なぜ痛みが続くのかを確認してから方針を決める

顧客側の言葉。施術の特徴が、選ぶ理由として理解しやすくなる。

「書き留める→パターンを見つける→次の広告に反映させる」の順番を守ることが大切です。書き留めなければパターンは見えません。パターンを見つける前に「何を変えるか」を決めても根拠がありません。1ヶ月間、書き留めるだけから始めてください。

今日やること — 今日の施術後に1人の患者さんに1問だけ聞く

来院決断インタビューを始めるために必要な準備は何もありません。今日の施術が終わった直後に一言聞くだけです。

今日の施術が終わった後、一人の患者さんに「当院のことはどこかで知っていただいたのですか?」と聞いてください。「チラシです」という答えが出たら「チラシのどこか気になった部分はありましたか?」と一言追いかけます。答えが出なくても構いません。「そうですか、ありがとうございます」で会話を終わらせれば良いです。出た答えは、その日のうちにスマートフォンのメモに書き留めます。日付と患者さんの言葉の核心を一行で。それだけです。

この作業を今週3回繰り返します。3人の患者さんに1問ずつ聞いて、3件の記録が残れば、来週「何が出てきたか」を見ることができます。3件で全体の傾向が見えることはありません。しかし「院長が思っていたのと違う答えが出た」という体験が、必ず1件は出ます。その体験が「もっと聞いてみよう」という動機になります。

来院決断インタビューはテクニックではなく、患者さんへの純粋な関心から生まれる会話です。「なぜここに来てくれたのか知りたい」という院長の気持ちは患者さんに伝わります。その気持ちがあれば、患者さんは自分の体験を自然に話してくれます。広告の当たり所を知ることは、次のチラシを改善するためだけではありません。「患者さんがなぜここを選んでくれたのか」を知ることは、自分の院の本当の価値を理解することでもあります。

藤井先生が言う「深掘りしてみてください」は、来院した患者さんを通じて市場を理解するということです。チラシや広告は院長が考えたものですが、それが患者さんにどう見えているかは患者さんしか知りません。患者さんが来院を決めた瞬間に何を感じたか。何が背中を押したか。これを知るには、聞くしかありません。今日の最初の一問から、そのサイクルが始まります。毎月5件の記録が続けば、半年後には30件のリアルな声が手元にある状態になります。その30件が、次の広告の設計図になります。患者さんの声は「一人の体験」ですが、10人・20人と積み重なると「市場のパターン」が見えてきます。このパターンを持っている院長と、持っていない院長では、次の広告改善の精度に大きな差が出ます。来院決断インタビューは、その差を生み出す唯一の作業です。

PRACTICAL PROGRAM

広告の「当たり所」を知る仕組みを現場から学ぶ

患者さんへのインタビューで来院決断を解析し、広告改善に活かす実践手順を学べるプログラムの詳細はこちら。

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よくある質問

「チラシのどこを見て来ましたか?」と聞いたら、患者さんが不審に思いませんか?

自分の治療院の広告をどう改善できるか知りたい、という文脈で聞けば不審には思われません。「実は次のチラシを少し改善しようと思っていて、どのあたりが気になっていただけたかご存知でしたら教えていただけると助かります」という一言を添えるだけで、患者さんはむしろ協力してくれることが多いです。アンケート用紙よりも、会話の中での一問の方が自然です。

チラシを見て来た患者さんがいないので、聞けません。

ホームページやGoogleの口コミから来た患者さんでも同じ問いが使えます。「ホームページのどのあたりを見て来ようと思いましたか?」「Googleで調べたとのことで、どんなキーワードで検索しましたか?」という形で第3段階の問いを展開できます。媒体がチラシでなくても、「何が来院の決め手になったか」を知る価値は変わりません。

患者さんに聞いても「覚えていない」という答えが多くて情報にならないです。

「覚えていない」はチラシを無意識に処理したことを示している可能性があります。その場合は「チラシ全体を見て、この院に来てみようと思ったのはどんな感じでしたか?」という問いに変えてみます。具体的な記憶がなくても「何か安心した感じがあった」「近くてすぐ行けると思った」という大まかな印象が出てくることがあります。この大まかな印象も、広告改善の材料として十分に価値があります。

来院決断インタビューで得た情報を、具体的にチラシのどこに反映させるのかが分かりません。

最初は「複数の患者さんが言及した要素を大きくする」という1点だけを試してください。例えば「完全予約制」と言及されることが多ければ、チラシ内でその文言を現在より大きく・見やすい位置に移動させます。技術の説明を小さくする必要はありません。当たり所だった要素をより目立たせることが最初のステップです。全体を作り直すのではなく、1〜2箇所だけ変えて次の配布で反応を見ます。

悩みの深掘りをすると、患者さんが不満を話し始めることがあります。どう対処しますか?

患者さんの不満は、院の改善点を教えてくれている大切な情報です。施術への不満か、接遇への不満か、説明への不満かによって対応が変わりますが、「教えていただいてありがとうございます。改善できるよう努めます」という姿勢で受け取ることが基本です。不満が出ること自体は悪いことではなく、院に対して「改善を期待している」という関与のサインでもあります。深掘りした結果として不満が出た場合は、改善のヒントとして記録しておきます。

「価格は高いと思いましたか?」という問いは、患者さんに失礼ではないですか?

「価格について正直な感想を聞かせていただけますか?次の料金設定の参考にさせていただきたくて」という前置きがあれば、失礼には当たりません。患者さんも「参考にするために聞いている」という文脈が分かれば正直に答えてくれます。「高かった」という答えが出ても、それは貴重なデータです。「高かったけど来た理由」が何かを続けて聞くことで、価格以外の決め手が見えてきます。

チラシを配っておらず、SNSだけで集客しています。この内容は関係ありますか?

SNSで集客している場合も全く同じ考え方が使えます。「投稿のどれを見て問い合わせようと思いましたか?」「プロフィール欄の何かが気になりましたか?」という問いに置き換えてください。SNSの投稿の中でどの内容が来院を決める情報として機能しているかを知ることは、今後の投稿内容を改善するための根拠になります。チラシかSNSかを問わず「広告の何が当たり所だったか」を知る価値は同じです。

この記事の来院決断インタビューと、商品リサーチの50個リスト作成は、どちらを先にやるべきですか?

商品リサーチの50個リストを先に作ることをおすすめします。自院の特徴・強みのリストが手元にあった上で来院決断インタビューを行うと、「患者さんが言及した要素がリストの何番目に当たるか」という形で情報を整理しやすくなります。ただし、リストが完成していなくても来院決断インタビューは始められます。聞いた内容は商品リサーチのリストに後から追加できます。両方を並行して進めることも可能です。

出典

  1. [1]藤井翔悟コンサルティング『顧客リサーチ:来院決断の深掘りと広告当たり所の確認』(藤井塾20期生 第2回目 Vol.2 Vimeo)

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