藤井翔悟コンサルティングFUJII SHOGO CONSULTING
経営フレームワーク22分で読める

50個書いたベネフィットに「誰向きか」を書き込め — 治療院の商品リサーチで患者像ごとに言葉を変える3ステップ

50個のベネフィットを書いたのに、広告の見出しに使えない。その原因は「誰向けかが書かれていないこと」です。藤井塾Vol.2の講義をもとに、同じ特徴でも患者像が変われば言葉を変えなければならない理由と、商品リサーチシートを患者像ごとに書き分ける3ステップを解説します。

藤井翔悟の顔写真

AUTHOR

藤井翔悟

株式会社藤井翔悟事務所 代表取締役 / 理学療法士

理学療法士として医療現場でキャリアを開始後、治療院経営で起業。自身の事業を年商10億円規模まで成長させた経験をもとに、治療院経営・ヘルスケア経営・企業変革を現場実装型で支援している。

なぜ50個書いたのに、広告の見出しに使えないのか

書いた数は正しくても、「誰向けの言葉か」が決まっていないと広告では使えません。

治療院の商品リサーチでは、自院の特徴を50個書き出し、それぞれをベネフィットに変換する作業をします。ベネフィットとは、院側の特徴がお客さんにとってどんな恩恵・メリットになるかを表す言葉のことです。「完全予約制」という特徴を、「待ち時間がなく、落ち着いて相談できる」と書き換えることがベネフィット変換です。

この作業を終えた後、多くの治療院経営者が「チラシの見出しに使いたいが、どれを使えばいいかわからない」という状態になります。50個も書いたのに、広告に使える気がしない。リストを眺めているが、どれもなんとなく弱い気がする。そういう感想を持つ方が少なくありません。

理由は一つです。書かれたベネフィットが「誰向けか」まで決まっていないからです。チラシの見出しは、特定の読み手に向けて書かなければ反応が取れません。「落ち着いて相談できる」という言葉でも、30代のビジネスパーソンにとっての「落ち着いて」と、70代の高齢者にとっての「落ち着いて」は、感じ方も言葉の重みも違います。

藤井先生の講義では、「ベネフィットは相手の立場に立って考えるもの」と繰り返し強調されます。自分目線で書いた言葉は、院の都合の説明になります。患者さんが「自分のための言葉だ」と感じる言葉が、反応を生む広告になります。特徴のリストに「誰に刺さるか」を追記することで、50個のリストは初めて広告で使える資産になります。

この記事では、その具体的なやり方を3つのステップで説明します。ステップ1は「特徴を書いたら患者像を1行追記する」、ステップ2は「新しい患者さんが来るたびに言葉を追加する」、ステップ3は「最も多く出た患者像の言葉をコアに選ぶ」です。既存のシートに少し手を加えるだけで、広告で使える状態に変わります。

DIAGRAM

患者像なしのベネフィットと、患者像ありのベネフィットの違い

患者像なし

落ち着いて相談できる

正しいベネフィットでも、誰向けかが決まっていないと広告の見出しに使いにくい。

患者像あり

仕事の合間でも待たずに来られる(30代向け)/ゆっくり話せる(70代向け)

今月呼びたい患者さんが決まれば、対応する言葉をすぐに取り出せる。

「落ち着いて相談できる」は正しいベネフィットですが、誰向けかが決まっていないと広告の見出しに選びにくくなります。患者像が書き込まれると、今月呼びたい人に向けた言葉をすぐに取り出せます。

「若い先生」という特徴が、患者によって逆の言葉になる

同じ一つの特徴が、患者さんの種類によってまったく違うベネフィットになることがあります。

藤井先生の講義では、「若い」という特徴を例に、患者像ごとに言葉が変わることが説明されます。「若い施術者」は、見方によっては長所にも短所にも映る特徴です。しかし、正しい患者像に正しい言葉で伝えれば、来院の理由になります。

若い患者さんや、アクティブに身体を使いたい人を呼びたい場合、「若い先生」という特徴は「来院するたびに活気が感じられ、生活に元気が戻る」というベネフィットになります。年齢が近い安心感や親しみやすさが価値になります。

一方、60代・70代の患者さんを呼びたい場合、同じ「若い先生」は少し違う言葉になります。「丁寧にゆっくり聞いてくれる、落ち着いた対応で安心できる」という方向で書き換えます。若い先生の柔らかさと誠実さが「安心」として伝わります。

重要なのは、「若い先生」という特徴そのものを変えているわけではないということです。変えているのは、どの患者さんに、どの言葉を使うかだけです。特徴は一つ、言葉は患者像の数だけある、という考え方です。

この発想で50個の特徴を見直すと、「使えない特徴」はほとんどなくなります。あるのは「まだ誰向けか決まっていない特徴」だけです。患者像を決めれば言葉は書けます。どんな特徴も、正しい患者さんに向けて伝えれば、来院の理由になり得ます。

逆に言うと、「患者像が決まっていないまま出した広告」は、幅広く読まれるように見えて実際には誰の心にも引っかかりません。ターゲットを絞ることを「もったいない」と感じる気持ちはわかります。でも、30代にも70代にも同時に向けた言葉は、実際には誰にも刺さらない言葉になります。どの患者さんに向けて書くかを決めることが、広告の力を生み出す出発点です。

DIAGRAM

「若い先生」という特徴が患者像ごとに変わる

自院の特徴

若い先生が施術する

誰向けかを決めていないと、使い所がわからない。

患者像別ベネフィット

アクティブ層向け:活気が感じられ元気が戻る/高齢者向け:丁寧で安心して任せられる

どちらも同じ特徴から来ているが、伝える相手が違えば言葉が変わる。

特徴そのものは変わりません。変えるのは、どの患者さんに向けてどの言葉を使うかです。患者像が変われば、同じ特徴から別の言葉が生まれます。

年代・目的・悩みの深さで「刺さるポイント」がまったく変わる

患者像は年齢だけで決まりません。何のために来るか、悩みがどのくらい深いかも言葉を変えます。

藤井先生の講義では「40代だと、また50代・60代・70代が全然ポイントが違ってくるので、そこをしっかり、どこにセールスポイントを置くのかを考えることが非常に重要」と語られます。年齢が変わるだけでなく、その年代が生活の中で何に困っているか、何を大切にしているかが変わるからです。

30代の患者さんは、仕事・育児・体のケアを両立したいという動機を持つことが多いです。時間の節約、素早い回復、施術中に話しやすい空気が価値になります。「完全予約制」という特徴は「仕事の合間でも確実に来られる」という言葉になります。

60代の患者さんは、長年抱えてきた慢性症状の改善と、この先も元気でいたいという予防的な動機を持ちます。「先生に話をじっくり聞いてもらえる」「焦らず、自分のペースで通える」という言葉が響きます。施術内容の説明が丁寧なことも大きな価値です。

70代・80代の患者さんは、1人での外出、家族との時間、毎日の生活の維持を大切にしています。「行けば必ず診てもらえる」という安心感が来院理由になることがあります。「駐車場完備」という特徴は「一人でも来られる」という言葉になります。

また、同じ年代でも「競技スポーツを続けたい」「仕事でパフォーマンスを上げたい」「孫と一緒に遊べるようになりたい」では目的が違います。目的が変われば言葉が変わります。患者像は年代だけでなく、目的と悩みの深さで整理すると、より正確な言葉が生まれます。

DIAGRAM

年代・目的ごとに刺さるポイントが変わる

1

30代

時間効率・回復速度・仕事と両立

2

50代

蓄積症状・予防・パフォーマンス維持

3

60代

丁寧なケア・安心・継続して通える

4

70代以上

日常生活の維持・安心・来院しやすさ

同じ特徴でも、患者像ごとに伝え方が変わる

同じ院の同じ特徴でも、患者さんの年代と目的によって、伝えるべき言葉はまったく変わります。

ステップ1 — 特徴を書いたら「最も刺さる患者像」を1行追記する

まず、すでに書いた特徴とベネフィットのリストに、患者像のメモ欄を加えます。

商品リサーチシートには、特徴とベネフィットの列があります。ここに「患者像」という列を一つ追加します。新しいシートを作り直す必要はありません。既存の表にメモ欄を1列足すだけです。今日15分あれば始められます。

書く内容は、「このベネフィットが特に刺さりやすい患者さんの特徴」です。年代・症状・目的・生活スタイルのどれか一つで構いません。例えば「完全予約制」に対して、「子育て中の30代・仕事の合間に来る患者さん」と書きます。難しく考えすぎないことが大切です。

最初は、今の来院者の中で「この特徴が気に入ってくれた」と思い当たる人を思い浮かべながら書きます。思い当たらない特徴は空欄のままにします。後で追記できるので、今は思い浮かんだ分だけ書けば十分です。完成させることよりも始めることが先です。

この作業によって、50個のベネフィットが「患者像とセット」になります。広告を書く時に「どの患者さんを呼びたいか」が決まれば、対応するベネフィットをそのまま広告に持ってくることができます。どれを選ぶか迷う時間がなくなります。

重要なのは、患者像の書き方を難しくしないことです。「慢性腰痛を抱える60代女性、仕事はパート、週1回通いたい」くらいの具体さで構いません。最初は粗くて大丈夫です。書き続けるうちに精度は上がります。まず一行書く、それが始まりです。

DIAGRAM

特徴から患者像付きベネフィットへの4段階

1

50個書き出す

経歴・性格・設備・サービス条件など

2

ベネフィットに変換する

患者さんにとっての意味・恩恵を書く

3

患者像を1行追記する

誰に刺さるかをメモ欄に書き加える

4

広告に取り出す

呼びたい患者像に対応する言葉を使う

FIRST DOMAIN

特徴 → ベネフィット → 患者像追記 → 広告実装

商品リサーチシートの作業を、特徴を書き出すことから患者像を追記するところまで進めます。広告に使えるのは患者像が書き込まれた後からです。

ステップ2 — 新しい患者さんが来るたびに「この人への言葉」を1行追加する

商品リサーチは一度で終わりません。患者さんが増えるたびに、言葉も増やします。

藤井塾Vol.2では「リサーチは止まることなくずっと続けていくものだ」と語られています。商品リサーチのベネフィット欄も同じです。新しい患者さんと関わるたびに、「この人にはどの特徴が響いているか」を観察し、一行追記していきます。

やり方はシンプルです。新しい患者さんが来院した後、「この人に刺さっているのはどの特徴だろう」と一度考えます。すでに書いてある特徴の患者像欄に、その人に合った言葉を追加します。既存の欄を上書きするのではなく、横に付け加える形です。

例えば「完全予約制」に対して、最初は「30代・仕事の合間」と書いていたとします。新しく70代の患者さんが「行ったら確実に診てもらえるから安心」と話してくれたら、同じ特徴の欄に「70代・行けば確実に診てもらえる安心感」を追加します。同じ特徴に2つの患者像と2つの言葉が並ぶ形になります。

この追記作業は、施術後の5分でできます。長い感想文を書く必要はありません。患者像(誰か)と、その人が感じた価値(何が良かったか)の2点だけで十分です。リサーチシートは、こうして少しずつ育っていきます。

患者さんに直接「なぜ選んでくれたか」「どの点が気に入っているか」を聞くことで、この追記はさらに正確になります。個人が特定されない範囲でその言葉をメモしておくと、後で広告のコピーを書くときに使いやすくなります。患者さんの言葉が、最もよい広告コピーの素材です。

大げさな調査をする必要はありません。施術後の会話の中で「今日はどうでしたか」と聞き、返ってきた言葉の中に「待たなくてよかった」「説明がわかりやすかった」「来やすかった」という表現が出たら、その言葉と患者さんの年代をセットでメモします。週に1〜2件のメモが3か月続くと、10〜20行の記録が溜まります。その記録がコアベネフィットを選ぶ材料になります。

DIAGRAM

追記を続けると、同じ特徴に複数の患者像が並ぶ

始めた直後

完全予約制 → 30代・仕事の合間でも来られる

最初に来院した患者さんの像だけが書かれている。

3か月後

完全予約制 → 30代・仕事の合間 / 70代・行けば確実に診てもらえる / 40代・子どもの送迎後に来られる

患者さんが増えるたびに言葉が追加され、広告で使える選択肢が増えた。

最初は一つの患者像しか書けなかった特徴欄も、来院者が増えるにつれて患者像が追加されていきます。これが積み重なると、「どの患者さん向けにどの言葉を使うか」の選択肢が広がります。

ステップ3 — 最も多く出た患者像の言葉をコアベネフィットに選ぶ

追記を重ねると、特定の患者像と言葉が繰り返し出てきます。その言葉を核にします。

ステップ1とステップ2を数週間続けると、各特徴の欄に複数の患者像と言葉が溜まってきます。ここで見るのは「どの患者像が一番多く出ているか」です。5つの特徴で同じ患者像(例えば「60代・慢性腰痛・長期通院希望」)が出てくるなら、それがあなたの院に最も合った患者像です。

その患者像に向けて最も多く出てきた言葉を見ます。「安心して任せられる」「話を聞いてもらえる」「焦らず通える」が繰り返し出るなら、これらが広告のコアになります。50個のうち、このパターンに当てはまるものを3〜5個に絞ります。これが「コアベネフィット」です。

絞り込む基準は2つです。1つ目は「最も多く出てきた患者像の言葉であること」。2つ目は「他の院が言っていない、自院だけの特徴から来た言葉であること」です。「丁寧な施術」より「施術前に10分かけて動作確認をする」という具体的な言葉の方が差別化(他院との違いを出すこと)になります。

この3〜5個がコアベネフィットです。チラシの見出し、ホームページのファーストビュー(最初に目に入る場所)、SNSのプロフィールに繰り返し使います。全部のメディアで同じコアを一貫して使うことで、患者さんの記憶に残ります。

選んだ後も、リサーチは続けます。数か月後に見直したとき、違う患者像が増えていたり、よりよい言葉が出てきたりします。コアは半年ごとに確認し、必要なら更新します。最初に選んだものが永遠に正しいとは限りません。市場は変わります。

DIAGRAM

コアベネフィットを選ぶ3つの基準

1

最も多く出た患者像の言葉

FREQUENT

複数の特徴で同じ患者像が繰り返し出ている言葉。

2

他院が言えない具体的な言葉

SPECIFIC

自院の条件・経歴・性格から来た、真似されにくい内容。

3

患者さんが「それで決めた」と言った言葉

TESTED

実際に来院時に聞いた「選んだ理由」の中に出てきた表現。

患者像、他院との差別化、実際の反応の3点を満たした言葉がコアベネフィットの候補になります。

実例 — 「完全予約制」を3つの患者像で書き分けると

具体的に、同じ特徴がどう変わるかを見てみます。

「完全予約制」という特徴を使って、患者像ごとの言葉の変わり方を確認します。この特徴は多くの治療院が持っていますが、広告での使い方は患者像によって大きく変わります。同じ「完全予約制」でも、誰に伝えるかで見出しがまったく別の文になります。

30代・会社員・昼休みや仕事後に来院したい人向けには、「予約した時間にすぐ施術が始まるので、昼休みでも確実に来られます」となります。待ち時間ゼロと時間の確実性が価値です。チラシには「仕事の合間でもきっちり来られる」という見出しが使えます。

50代・主婦・週1〜2回長期通院したい人向けには、「毎回同じ担当が対応するので、毎回ゼロから説明しなくていい」という方向が考えられます。ただし、これは完全予約制に担当制がセットになる場合の話です。自院の状況に合わせて調整してください。

70代・足に痛みがあり外出が心配な人向けには、「予約しておけば行ったら必ず診てもらえるので、外出の準備が無駄になりません」となります。足を運ぶ労力が確実に報われる安心が価値です。「行けば確実に診てもらえる」という見出しが響きます。

3つの患者像に対して、同じ「完全予約制」から3種類の言葉が生まれました。チラシを作る時は、どの患者さんを呼びたいかを最初に一人決め、その患者像の言葉を見出しに使います。3つ全部を1枚のチラシに詰め込まないことが重要です。絞ることで言葉が鋭くなります。

もし「どの患者像向けのチラシを出すか」で迷うなら、今の来院者で最も多い患者像を選んでください。すでにその層に支持されているということは、その患者像へのベネフィットが正しいことを意味します。実績のある患者像をまず伸ばしてから、新しい患者像向けを試す順番が効率的です。

DIAGRAM

「完全予約制」を患者像ごとに書き分けた例

1

30代会社員向け

昼休みでも確実に来られる。予約した時間にすぐ始まる。

2

50代主婦向け

担当が毎回同じで、最初から話し直さなくていい。

3

70代高齢者向け

行けば必ず診てもらえる。外出が無駄にならない。

どれが正しいではなく、誰向けかで選ぶ

同じ「完全予約制」という特徴から、患者像ごとにまったく異なる言葉が生まれます。どれが正しいかではなく、今呼びたい患者さんの言葉を選ぶことが大切です。

チラシとホームページへの実装 — 患者像を先に決めてから見出しを書く

言葉が揃ったら、それをどこに置くかを決めます。全部を一度に使おうとしないことが大切です。

患者像ごとのベネフィットが揃ったら、次は広告への実装です。ここで一つ守るべきルールがあります。「今回のチラシは誰に向けて作るか」を最初に決めることです。全部の患者像に向けて書こうとすると、誰にも刺さらない広告になります。

チラシを作る前に「今月の新規患者さんとして最も来てほしい人は誰か」を一人決めます。その患者像に対応するベネフィットを、リサーチシートから取り出します。それをチラシの見出しと本文の最初の一文に使います。文字数が少なくても、患者像が決まっていれば的確な言葉になります。

ホームページのファーストビューも同じです。最も来てほしい患者像に向けた言葉を、最初に目に入る場所に置きます。ファーストビューは1種類の患者像向けで構いません。二番目に来てほしい患者像の言葉は、下にスクロールした場所に書きます。

SNSの投稿やGoogleビジネスプロフィールの紹介文も同じ考え方です。全部の特徴を並べるのではなく、最も来てほしい患者像に向けた言葉を一つ、先頭に置きます。その言葉が繰り返し同じ場所に出ることで、読んだ人の記憶に残ります。

実装後は、問い合わせ時に「どこを見て来ましたか」「どの言葉が気になりましたか」を確認します。反応した言葉がわかれば、次のリサーチに追記します。患者さんの選択行動が、リサーチシートをさらに育てます。聞く→追記する→使う→確かめる、このサイクルが回り始めると集客のスキルが身についてきます。

DIAGRAM

患者像から広告実装まで4段階

1

患者像を1人決める

今月最も来てほしい患者さんは誰か

2

対応する言葉を取り出す

リサーチシートの患者像欄から探す

3

広告の先頭に置く

見出しとファーストビューに1つだけ使う

4

反応した言葉を記録する

問い合わせ時に何を見たかを確認する

FIRST DOMAIN

患者像 → 言葉を選ぶ → 一か所に使う → 記録する

患者像を決めてから言葉を選び、一か所だけに使い、反応を記録します。全部を同時に変えないことが、効いた言葉を特定するための条件です。

今日やること — 特徴リストに「患者像」の列を1つだけ追加する

追加の調査なしに、今すぐ始められます。

今日やることは一つだけです。すでに作った商品リサーチシートを開き、ベネフィットの列の隣に「患者像」という見出しを追加します。新しいシートを作り直す必要はありません。既存の表に1列足すだけです。これに必要な時間は5分です。

次に、今の来院者の中で「この特徴が気に入ってくれた」と思い当たる患者さんを思い浮かべながら、5〜10個の特徴に患者像を書き込みます。「50代・慢性腰痛・長期通院」「30代・仕事帰り・時間が少ない」など、今の来院者のイメージで構いません。正確でなくて大丈夫です。

思い当たらない特徴は空欄のままにします。今後、患者さんの話を聞くたびに追記します。今日の目的は完成させることではなく、「患者像を書き込む習慣の種をまくこと」です。一行書けば、習慣は始まります。

明日から、新しい患者さんが来院したら施術後に5分、「この人に刺さった特徴はどれか」を考えます。思い当たる特徴に、その患者さんの像を一行追記します。この小さな作業が、数か月後にコアベネフィットを選ぶための材料になります。

50個のリストは、書いた瞬間に完成するものではありません。患者さんと経営の実態を通じて育てるものです。正しいベネフィットは、市場と対話しながら少しずつ見えてきます。リサーチシートはその対話の記録帳です。今日一列加えること、それがここで言う「市場に聞く」の第一歩です。

完成を目指すのではなく、育てていく。その姿勢でリサーチシートに向き合うことが、藤井先生がVol.2で繰り返し伝えたことの本質です。今日一行追記できれば、それで十分な前進です。

あわせて読みたい

よくある質問

患者像は、どのくらい詳しく書けばいいですか?

年代・目的・悩みの深さを1〜2文でメモする程度で構いません。「60代・慢性腰痛・週1回通いたい」くらいの具体さがあれば、広告を書く時に迷いません。最初は粗くて大丈夫なので、まず書き始めることを優先してください。精度は来院者が増えるにつれて上がります。

同じ特徴に複数の患者像を書いてもいいですか?

積極的に書いてください。患者さんが増えるたびに追記していくのが、この方法の特徴です。同じ「完全予約制」に「30代・時間効率」と「70代・安心」の2つが並んでいる状態が理想です。チラシを作る時に「今回は誰向けか」を先に決め、対応する言葉を取り出します。選択肢が多いほど、広告の精度が上がります。

患者像を決めたら、チラシを何種類も作らなければいけませんか?

最初は1種類で構いません。最も来てほしい患者像を一人決め、その患者向けのチラシを1枚作って反応を確かめます。反応が取れてから別の患者像向けを試す、という順番が効率的です。何種類も同時に作ると、どれが効いたかわからなくなります。一つずつ試して記録することが、集客スキルを身につける近道です。

EXECUTIVE BRIEFING

この論点を、貴社の経営会議の議題に。

経営層の方向けに、この論点に関する個別ブリーフィング(90分)を実施しています。

ブリーフィングを申し込む