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「リサーチがどこにあるか分からない」が集客を止める — 治療院経営でリサーチ資産を消さない月間統計表設計と再起動3ステップ

「以前やったリサーチがどこに保存したか見つからない」は怠慢の問題ではなく、保管場所が決まっていない設計の問題です。藤井塾Vol.4の個別コンサルから、リサーチ資産を消さない月間統計表タブ統合の方法と、アクセスが失われたときの「50個のベネフィット」から始める再起動3ステップを解説します。

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藤井翔悟

株式会社藤井翔悟事務所 代表取締役 / 理学療法士

理学療法士として医療現場でキャリアを開始後、治療院経営で起業。自身の事業を年商10億円規模まで成長させた経験をもとに、治療院経営・ヘルスケア経営・企業変革を現場実装型で支援している。

「リサーチが見つからない」は性格の問題ではなく設計の問題

過去に調査した記録が見つからない状態は、意志の弱さや怠慢のせいではありません。保管場所が決まっていないという設計の問題です。

リサーチを1回やったことはあるけれど、どこに保存したかわからない。この状態を「サボっていたせいだ」と感じる方が多いのですが、実際には違います。メモに書いた、スプレッドシートを作った、ノートに書いた。でも、どのファイルだったか、どのフォルダに入れたか、記憶がない。これは記憶力の問題ではなく、「どこに保存するか」が最初から決まっていないという設計の問題です。

人間は、保存場所が複数あると、後から探せなくなります。「確かあのExcelだった」「いや、Googleスプレッドシートだったかも」「メモ帳に書いた気もする」。こうなると、リサーチ結果を次の作業に使えません。使えないデータは集客の改善に役立たない。結果として、一生懸命調査した時間と手間が、一度も使われないまま消えていきます。これが「見つからない」問題の本質です。

藤井塾Vol.4のセッションで、ある受講生(ここでは「Aさん」と呼びます)がこの状態を報告しました。「50のいいところを全部上げろっていうことだけは記録に残っているんですけど、顧客のリサーチとかはやっていなくて、競合リサーチは自分の店の周りだけやって、あとは進めていなかったと気づきました」。Aさんは調査をしていなかったのではありません。記録はしていた。ただ、どこに何が入っているかが把握できていなかったのです。

こうした状態に陥る原因は主に2つです。1つ目は、最初の保管場所を「どこでもいい」と曖昧にしたまま始めたこと。2つ目は、更新するたびに別のファイルや別の場所に記録したこと。この2つが重なると、しばらく経った後には「確かに調査した記憶はあるが、どこにあるかわからない」という状態になります。解決策は非常にシンプルです。保管場所を今日1か所に決めて、そこだけを使うことです。

「場所を決める」というのは地味な作業に見えます。でも、治療院の集客改善において、リサーチの継続性はとても重要です。1回やって終わりにするのではなく、患者さんから新しい言葉を聞くたびに、競合が変わるたびに、少しずつ更新していく。その継続を支えるのが「決まった1か所」です。場所が決まれば、更新が習慣になります。習慣になれば、リサーチシートは「生きた資産」として集客改善に使えるようになります。

DIAGRAM

「リサーチが使えなくなる」2つの状態を比べる

保管場所が分散している状態

Excel・ノート・スプレッドシートにバラバラ

探せない → 更新できない → 広告に使われない → 調査した時間が無駄になる

保管場所が1か所に統合された状態

月間統計表の専用タブに全部入っている

すぐ開ける → 更新できる → 広告の言葉に使える → 集客が改善されていく

保管場所が分散していると、調査した内容がいつまでも集客改善に使われません。1か所にまとめるだけで、更新と活用のサイクルが回り始めます。

半年で競合環境は変わる — 「前のリサーチ」が当てにならなくなる理由

リサーチシートが見つかっても、内容が半年以上前のものだと、もう使えない可能性があります。競合環境は毎月動いているからです。

藤井塾Vol.4のセッションで、Aさんはこう続けました。「ここ半年ぐらいで、うちの周りも結構店舗が増えたり、あるいは辞められたりしていて、前の情報がまず当てにならなくなってきている」。これは非常に重要な観察です。治療院が密集している地域では、半年の間に複数の院が開業し、複数の院が閉院することは珍しくありません。一度調べたからといって、その情報がずっと使えるわけではないのです。

競合リサーチとは、近隣の院の価格・ホームページのヘッドライン(最初に目に入る見出し)・初回オファー・特典・独自メソッドを調べる作業のことです。これらは一度やれば終わりではありません。競合は常に変化しています。ホームページが更新される。価格が変わる。新しい訴求(患者さんへの呼びかけ方)が加わる。こうした変化を追えていないと、「自分の院の広告が競合に対してどのくらい差別化できているか」がわからなくなります。

半年以上前のリサーチを元に広告を出しても、競合環境が変わっていれば、効果の評価が難しくなります。「広告の反応が落ちた」と感じるとき、実は競合が訴求を変えたり、地域に強力な競合が新しく入ってきたりしているケースが少なくありません。そのシグナルを見逃してしまうのは、リサーチシートが更新されていないからです。

だからといって、毎日競合を確認する必要はありません。月1回、30分で確認することができれば十分です。ただし、そのための前提条件があります。競合リサーチの記録が「すぐに開けて、すぐに書き込める場所」に保存されていることです。見つけるために10分かかるようでは、月1回の確認習慣は続きません。保管場所の設計が、継続性の条件になります。

「前のリサーチが当てにならなくなってきた」と気づいたとき、やるべきことは2つあります。1つ目は、今日の時点での競合情報を新しく調べること。2つ目は、その情報を「すぐ更新できる場所」に保存すること。この2つを同時に進めようとすると大変なので、まず今日は「保存場所を決めること」だけに集中してください。内容の更新は場所が決まってから始めます。

DIAGRAM

競合環境の変化を「使えるデータ」に変える月次確認の流れ

1

月間統計表の競合リサーチタブを開く(5分)

前回の記録日を確認。どの院を調べたかを一覧で確認する

2

前回の記録と今の競合HPを比較する(15分)

価格・見出し・特典・独自メソッドで変化した項目をチェックする

3

変化した項目を記録し、廃業・新規開院も追加する(5分)

変化した箇所だけ上書き。廃業院は「廃業済み」として1行残す

4

「次のチラシで変えること」を1行メモして閉じる(5分)

今月の競合変化を踏まえて、次のアクションを1つ決める

FIRST DOMAIN

この流れは保管場所が1か所にあれば今日から始められます

月1回30分で回せる流れです。この流れを実行するには、競合リサーチの記録がすぐ開ける1か所にある必要があります。

月間統計表に3つのタブを統合する — 場所を決めるだけで継続できる

リサーチの保管場所として、藤井塾では月間統計表(月ごとの経営数値を管理するスプレッドシート)の中に3種類のリサーチタブを統合する方法を使います。

月間統計表とは、毎月の患者数・売上・広告費などを記録する経営管理表のことです。スプレッドシート(ExcelやGoogleスプレッドシートのような表計算ソフト)で管理します。藤井塾では、この月間統計表の中に「顧客リサーチ」「商品リサーチ」「競合リサーチ」の3つの専用タブをコピーして使うことを推奨しています。タブとは、スプレッドシート下部にある分類ラベルのことです。1つのファイルの中に、経営数値と3種類のリサーチが全部入っている状態を作ります。

これの何が良いのでしょうか。月間統計表は、毎月数字を確認するために開く経営管理の道具です。毎月数字を入力するついでに、リサーチタブも開けます。「今月の数字を確認した後、競合リサーチを10分更新する」という作業を習慣にしやすくなります。リサーチを「別のファイルを探して開く」作業から、「いつも使うファイルの別タブを開く」作業に変えるだけで、更新頻度は大きく上がります。

タブの統合方法は難しくありません。藤井塾で用意されているリサーチシートの原本(テンプレート)を開いて、顧客リサーチ・商品リサーチ・競合リサーチの各タブを、自分の月間統計表のファイルにコピーします。Googleスプレッドシートであれば、タブを右クリックして「別のワークブックにコピー」を選ぶと、月間統計表のファイルに追加できます。一度コピーすれば、以降はこのファイルだけを使えばよくなります。

「統計表を毎月ちゃんと開いていない」という方も大丈夫です。まず今日、月間統計表を開いて、3つのリサーチタブが入っているかどうかを確認するだけで構いません。タブが入っていなければ、今日追加します。タブが入っているが使っていなければ、今日から使い始めます。「どこに保存するか」を今日決めることが、この先のリサーチ継続の出発点です。

「自分は月間統計表を持っていない」という方も心配いりません。新しいスプレッドシートを1つ作り、そのファイルに3つのリサーチタブを追加するところから始めます。ファイル名は「リサーチ管理_自分の院名」など分かりやすいものにして、ブラウザのブックマーク(お気に入り)に登録します。保管場所が決まれば、次はその場所にデータを移す作業です。過去に作ったリサーチがあればそこに貼り付け、なければ今日から書き始めます。

統合後の運用はシンプルです。月1回、月間統計表を開いたついでにリサーチタブを確認する。何か変化があれば1行追記する。新しい患者さんから印象的な言葉を聞いたら、その日のうちに顧客リサーチタブに書き込む。競合の新しいホームページを発見したら競合リサーチタブを開いて1行追加する。この「ついでに書く」習慣が積み重なることで、リサーチシートは半年後に「とても使える状態」に育っています。毎月1〜2時間の集中更新より、毎週5分の「ついで書き」の方が、長続きする場合が多いです。

DIAGRAM

月間統計表タブ統合の5ステップチェックリスト

1

ステップ1:月間統計表を開く(またはファイルを新規作成する)

Googleスプレッドシートかでもよい。持っていなければ今日新規作成する

2

ステップ2:3つのリサーチタブがあるか確認する

「顧客リサーチ」「商品リサーチ」「競合リサーチ」のタブが3つあるか確認

3

ステップ3:タブがなければ今日追加する

リサーチシートのテンプレートから右クリック→「別のワークブックにコピー」

4

ステップ4:このファイルをブックマーク登録する

「Ctrl+D」または「⌘+D」でブックマーク。次から3秒で開ける

5

ステップ5:過去のリサーチデータがあれば今日貼り付ける

なければ空欄のまま。今日から書き始めるだけで問題なし

ステップ1だけでも今日完了すれば前進です

今日の作業はこのリストを上から順番に確認するだけです。チェックできない項目が今日やることです。

廃業した競合院も記録する — 「消えた情報」が市場シグナルになる

競合リサーチでよく起きる誤解があります。「潰れた院は調べる必要がない」という考え方です。藤井先生は逆のことを言います。

Aさんが「年配の方の整体院が廃業していて、その情報を掴んでいる」と話したとき、藤井先生の返答は意外なものでした。「潰れたところの情報も大事だと思っていて、どういうところが潰れたのか、なぜ潰れたのか」。廃業した競合院は、競合リサーチから消去するのではなく、「廃業済み」として保存しておくべきだということです。

なぜ廃業した院の情報が重要なのでしょうか。「なぜ潰れたのか」「いつ潰れたのか」は、地域の市場が何を求めていたか、何を求めなかったかを示すシグナルになるからです。例えば、ある特定のアプローチで集客していた院が廃業したなら、その方法が地域では機能しなかった可能性があります。逆に、特定の訴求をしていた院が長く続いているなら、その訴求が地域に刺さっていると読めます。廃業の記録は「やってはいけないこと」の地図です。

競合リサーチタブに「廃業済み」の欄を追加するのは難しくありません。院名・廃業した大体の時期・廃業前にどんな訴求をしていたか。この3つを1行追加するだけです。「廃業した院の欄を残しておく」という行為は、地域の市場変化を記録する行為です。後でまとめて読み返すと、地域でどんな院が残り、どんな院が消えていったかのパターンが見えてきます。

「そんな細かいことまでやる必要があるのか」と感じる方もいるかもしれません。でも、この記録を持っているかどうかが、1年後の広告の精度に差をつけます。競合の「消えた情報」を持っている院と持っていない院では、地域市場の理解の深さが違います。理解が深いほど、広告の訴求が市場にフィットします。競合リサーチタブに「廃業済み」欄を追加することは、10分でできる1年分の先行投資です。

実際の作業手順はこうです。競合リサーチタブを開きます。現在も営業している院の記録と並べて、廃業した院の記録を1行追加します。「廃業済み」という文字をステータス欄に入れるだけです。廃業の時期が分かれば記録し、分からなければ「〇〇年頃」という大まかな表記でも問題ありません。廃業前のホームページのキャプチャ(画面を画像として保存したもの)が残っていれば、どんな訴求をしていたかも記録します。こうした積み重ねが、地域市場の読み方を深めます。

廃業院の記録が増えることを「ネガティブな情報が増える」と感じる方がいますが、捉え方が逆です。廃業院の記録は「その地域で効かなかった訴求の地図」です。この地図を持っていることで、自院の広告で同じ轍を踏まずに済みます。新しく競合が入ってきたときも、「過去に似たようなアプローチをした院が廃業している」という事実が、自院の差別化の根拠になります。地域市場の歴史を記録することは、今後の広告判断の精度を上げる投資です。

アクセスが失われたとき — 「50個のベネフィット」から始める再起動

月間統計表へのアクセスが失われたり、過去のリサーチが全て見つからない場合、どこから再起動すればいいのでしょうか。藤井先生の答えは明確です。

藤井塾Vol.4のセッションに、もう1つのケースがありました。リサーチシートを入れている月間統計表のファイルにアクセスできなくなった受講生(ここでは「Bさん」)が、「月間統計表の特典が今開けなくなっています」と報告しました。藤井先生はその場でBさん向けに新しい月間統計表のファイルを作り直してチャットで送り、Bさんに聞きます。「このファイルを受け取ったら、コピーできたら何から始めますか?」

Bさんの答えは「まず50個のベネフィットを書くところをやります」でした。ベネフィット(benefit)とは、自院の特徴をお客さん目線で言い換えたものです。例えば「完全予約制」という特徴は、「待ち時間がなく、落ち着いて施術に集中できる」というベネフィットになります。この言い換え作業を50個分行うことが、商品リサーチ(自院の強みを調べる作業)の中核です。Bさんはそこから始めると答えました。これは正しい判断です。

なぜアクセス失敗からの再起動が「50個のベネフィット」から始まるのか。理由は3つあります。1つ目は、商品リサーチは他の2種類(顧客・競合)のリサーチと比べて、外部情報を必要としない点です。今すぐ自分の院のことを思い出しながら書き始められます。患者さんに聞きに行く必要も、外のホームページを調べる必要もありません。2つ目は、50個という具体的な数字があるので、ゴールが明確である点です。「50個書いた」という完了基準がはっきりしています。3つ目は、50個書き切ることで、次に何を患者さんに訴求するかが見えてくる点です。これがチラシやホームページの言葉づくりの材料になります。

過去のリサーチが全部失われた場合でも、再起動は今日できます。新しいスプレッドシートを開く。商品リサーチのタブを追加する。自院の特徴を思いつく限り書き出す。まずは20個、30個と書いて、50個を目指します。書いた後で、各特徴を「患者さんにとってどんなメリットか」に言い換えます。この言い換え作業が終わったら、顧客リサーチ(患者さんへの聞き込み)に進み、最後に競合リサーチを行います。この順番で再起動すると、最も速く「使えるリサーチシート」に近づけます。

「50個も思いつかない」という方は、最初から「全部で50個」を目指さなくて構いません。今日10個書いたら今日は終わり。明日また10個書く。5日間で50個になります。一度に全部書こうとすると手が止まります。1日10個という区切りで少しずつ積み上げる方が、結果として速く50個に到達できます。「今日は10個だけ書く」という最小の目標を決めてから始めてください。

50個書き終えた後の変化を補足しておきます。50個の特徴をベネフィットに言い換え終えると、自院の何が患者さんに喜ばれているかの全体像が見えてきます。その中でコアになるベネフィット(中心となる強み)を3つ選ぶと、チラシやホームページのヘッドラインに使う言葉が決まります。「何を言えばいいかわからない」という状態が解消されるのは、この50個の作業があるからです。アクセスが失われた状態からでも、ここまで到達できます。

DIAGRAM

リサーチ再起動の3ステップ

1

ステップ1:新しいファイルを開いて商品リサーチタブを追加する

保管場所を今日決める。Googleスプレッドシート新規作成→タブ追加→ブックマーク

2

ステップ2:自院の特徴を50個書き、ベネフィットに言い換える

外部情報なしで今日始められる。1日10個ペースで5日間で完成

3

ステップ3:商品リサーチ完了後に顧客・競合リサーチを追加する

患者さんへのヒアリングと競合HPの確認は、商品リサーチの後で行う

FIRST DOMAIN

ステップ1だけ今日終わらせれば再起動は始まっています

アクセス失敗や保管場所不明から再出発するときの順番です。商品リサーチから始めることで、最も短時間で「使えるデータ」が手元に揃います。

今日やること — 3分でリサーチシートの「場所」を決める

今日の作業は1つです。リサーチシートの保管場所を決めることです。内容の充実は、場所が決まってからで大丈夫です。

今日やることはシンプルです。「自分のリサーチシートはどこにあるか」を3分で確認します。月間統計表を開いて、顧客・商品・競合の3つのリサーチタブがあれば、それが保管場所です。なければ、今日追加することが作業です。月間統計表自体がない方は、新しいスプレッドシートを1つ作り、「リサーチ管理」という名前をつけてブックマークします。これが今日の完了です。

「過去のリサーチがどこにあるかわからない」という方は、今日探すのではなく今日から新しく積み上げることにしてください。過去のデータを探すのに30分かけるより、今日1時間で商品リサーチを20個書く方が、集客改善に近づきます。見つかったら後で統合すればいい。見つからなくても新しいデータで進められる。どちらでも今日は動けます。動くことを止めないことが大切です。

競合環境の確認は、今日でなくて構いません。まず保管場所を決める。次に商品リサーチの特徴を1つでも書き始める。その後で顧客リサーチと競合リサーチを追加する。この順番で進めてください。「全部を今日終わらせる」という目標は立てないでください。今日の目標は「保管場所を1か所に決めること」だけです。場所が決まれば今日は100点です。

藤井先生がVol.2で語るリサーチの本質は「止まることなくずっと続けていくもの」という言葉です。一度完成させたら終わりではなく、競合が変わるたびに、患者さんから新しい言葉を聞くたびに、少しずつ更新していくものです。その継続を支えるのが、すぐに開けて、すぐに書き込める「決まった1か所」です。今日その場所を決めることが、これから先のリサーチ継続の土台になります。小さく始めて、毎月少しずつ積み上げていく。治療院経営における集客改善は、この地道な積み重ねから作られます。

最後に確認しておきたいことがあります。リサーチシートは完成すれば終わりではなく、「使いながら育てるもの」です。今日保管場所を決めたら、来月には競合リサーチを1社分更新する。再来月には患者さんに1つ質問してみる。3か月後には廃業した競合の記録を追加する。こうした小さな更新が積み重なることで、半年後には「地域の市場を自分が一番よく知っている」という状態が生まれます。それが、広告コピーを書くときの確信と、集客改善の速さにつながります。

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よくある質問

月間統計表がない場合、どこから始めればいいですか?

新しいGoogleスプレッドシートやExcelファイルを1つ作り、「リサーチ管理_院名」などの名前をつけてください。そのファイルに顧客リサーチ・商品リサーチ・競合リサーチの3つのタブを追加します。藤井塾の会員サイトにリサーチシートのテンプレートがありますので、そこからタブをコピーして使うのが最も手軽です。Googleスプレッドシートの場合、コピーしたいタブを右クリックして「別のワークブックにコピー」を選ぶと、自分の新しいファイルに追加できます。ファイルを作ったらブラウザのブックマークに登録して、いつでも3秒以内に開ける状態にしておいてください。この「すぐ開ける状態」が継続更新の条件です。

廃業した競合院の記録を残す場合、どの項目を記録すればいいですか?

最低限の3項目は「院名・廃業の大体の時期・廃業前の主な訴求(ホームページの見出しやチラシのキャッチコピーなど)」です。これを競合リサーチタブの既存の記録と並べて、ステータス欄に「廃業済み」と書いた行として追加します。1院あたり5分あれば記録できます。廃業院は増えないので、一度記録すれば更新は不要です。この記録が蓄積すると、地域でどんな院が残り、どんな院が消えたかのパターンが見えてきます。このパターンは、新しい競合が地域に入ってきたときに、自院の差別化の根拠として使えます。

過去に別のExcelファイルに書いたリサーチがあります。月間統計表に移した方がいいですか?

はい、最終的には月間統計表に統合することをおすすめします。ただし「移す作業」を今日全部終わらせる必要はありません。今日は月間統計表にタブを追加して、過去のデータは少しずつ貼り付けていく作業にしてください。「形式を移す作業」と「新しい内容を書く作業」は別のタスクです。今日は形式を移すだけで十分です。内容の見直しや追記は別の日にまわして構いません。2つを同時にやろうとすると手が止まります。移し作業の目安は1日15〜30分で、3タブ分を一気に終わらせる必要はなく、今日は顧客リサーチタブだけを移す、という区切り方で進めてください。

月1回のリサーチ更新は、どのタイミングでやるといいですか?

毎月の経営数値(患者数・売上・広告費)を月間統計表に記録するタイミングと合わせることをおすすめします。数値を入力したついでにリサーチタブを開き、「先月との変化があれば記録する」という流れにするのが継続しやすい方法です。月末か月初に30分だけ確保して、競合リサーチタブの更新と顧客リサーチの追記を行います。このルーティンが定着すると、リサーチシートが「生きている資産」として機能し始め、集客の判断根拠として使えるようになります。最初は月1回でも難しいと感じる方は、まず3か月間だけ試してみることをおすすめします。3回更新を重ねると、変化のパターンが見え始め、更新自体が楽しくなってきます。

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